I'm just holding on for tonight.

どこにも行けない呟き

【ライブレポ】Nothing But Thieves

Nothing But Thievesのライブを韓国に見に行った。

Dead Club Cityに招待された。

 

彼らは私が世界で一番好きな音楽で、でも最後に見たのは2018年のレディングフェスの最前列で。もうゆうに5年経っている。

 

日本に来ない

8月に韓国公演が発表されて、じゃあアジアツアーをしてくれるんじゃないかと期待したよね。

最近はsnsをあまり見てないから、代わりにTwitterの検索でNothing But Thieves lang:jaナッシング・バット・シーヴスってエゴサしてたね。

8月からほぼ毎日ずっと。流石に自分が不憫だったね。

タイのフォロワーさんと一緒に「来て~」ってやってたら、タイ公演は追加されたね。

 

本当に来なさそうだなと、それならもう韓国に行ってしまおうかと考えた。

来年の2月にヨーロッパでアルバムツアーが行われる。それを最後にアルバムツアーは終了!ってされたら、心が砕けちゃうなと思った。

 

やっぱり韓国公演に行こうと決めて、チケットを購入しようとした。でも途中からサイトが先に進めなくて、直後にSold outしたと分かった。

あー終わったなと思っていたら、追加公演のアナウンスがあった。

不幸中の幸いって、こういうことだろうと思う。

追加公演が決まったことで、そのチケットの販売開始時刻、その熾烈な争いのスタート地点に、韓国のファンと共に立てることになったのだから。

 

そこから購入やら準備やら会場に着くまでやらの話を始めたら、一向にライブにたどり着かないので省略する。

結果的に、それなりに良い整番を手に入れられたことだけは報告しておく。

 

国内盤が出ない

今年の6月30日に、4thアルバム「Dead Club City」がリリースされた。

今までのアルバムのように、また有名な音楽ライター粉川しのさんの、情熱的なライナーノーツが読めると思っていたのに、国内盤が出なかった。だから対訳もない。

もう悔しくてたまらない。

初めての完全なコンセプトアルバムで、これまた彼らのキャリアで初めて、全英チャート1位の快挙を成し遂げたというのに。

 

彼らは別に日本で無名のバンドじゃない。

デビュー前からサマソニに出演してたし、1st、2ndと、順当にアルバムツアーを日本で行ってきた。3rdはコロナ禍の2020年にリリースされたから仕方がないとしても、なぜここにきて国内盤すら出なくなったのか。

ソニーミュージックが中途半端にプロモーションして、2曲だけ日本語訳を公開していた。

でも結局、“デッド・クラブ・シティで繰り広げられる物語”とは何だったのか。

何がどうコンセプチュアルなアルバムだったのか。

これから先情報を追加する気はあるのか。

全く期待できない。

 

アルバムDead Club Cityについて

そこで、ライブのレポートを書くにあたって、この4thアルバムDead Club Cityとは一体どんな作品だったのか、個人的な解釈を書こうと思う。

なぜなら私の見たライブは、このアルバムの世界観をそのまま持ってきた、まさにDead Club Cityで行われた、完璧にコンセプトが練られた最高のショーだったから。

 

3月15日に、1stシングルWelcome To The DCCがリリースされた。

大きく動揺した。

彼らが今まで歌ってきた、ネガティブな心情を吐き出したり、社会批判をするような曲と、完全に相反する歌詞だったから。

 

“Welcome To The DCC, Dead Club City”
(デッド・クラブ・シティへようこそ)

“All the heaven, all the time”
(ここはいつだって全てが天国だ)

“Live your perfect life”
(完璧な人生を送ろう)

 

彼らもついに薄っぺらい事しか歌わないバンドになってしまったのかと危惧した。

しかし、そこで終わらないのが、彼らの作る音楽だ。

このコンセプトアルバムは、架空の会員制の街、Dead Club Cityを比喩として、現実世界に存在する特権階級や不平等、人間の貪欲さを批判し、嘲る作品だった。

 

アルバムの概要は全く触れられていないわけではなく、Rolling Stoneで、Conorが日本人からのインタビューに応じている。

インタビュアーが、“日本盤がリリースされたら、歌詞の対訳を読みながら、改めて聴いてみたいと思います”とすら言っている。(だからこそ期待をして、失望しているのだけど)

 

今作品には様々な人物が登場する。

・Dead Club Cityに憧れて、街に向かおうとするカップル。(Overcome)

・街で幸せなフリをするものの、持ち前のネガティブな思考が拭えない人物。(Keeping You Around)

・街の居心地が悪くて出ていこうとする人物。(City Haunts)

・地位を得る為なら、何でもしてやると意気込む人物、Zzzero。(Do You Love Me Yet?)

・街に入れてもらえない不平等さを罵る人物。(Members Only)

・街を出て、自らの足で歩いていこうと決断する人物。(Talking To Myself)

 

彼らは作品を通してこう問う。

「富を得ることは素晴らしいことなのか」

「何でも手に入れれば幸せになれるのか」

「そしてそれは本当に欲しいものなのか」

 

そして最後の曲、Pop The Balloonで、彼らは「目を覚ませ。Dead Club Cityを破壊しろ!」と歌う。

アルバムのタイトルを冠するDead Club Cityは、最終的に、真っ向から否定され、破壊されて、物語は終わるのだった。

Dead Club Cityは、1stシングルで皆を欺いて、最後にどんでん返しを用意するという、とても痛快なコンセプトアルバムだった。

 

会場についた

ソウルは寒かった。

最低気温が-5度と予報されるその日は、なんとチラチラと雪が舞っていた。

会場には4時頃についた。意外なことにほとんど人がいなかった。でもそうか、今日は平日だもんな。

 

(やっぱり無料の動画共有サイトだと消えてしまったので、Twitterか何かにあげていく…)

 

ロッカーはどんどん埋まってしまうとのことで、先に一旦取っておいて、(寒すぎるので)直前にまた開けてコート類を入れることにした。料金はたったの120円程度だったし。

ロッカーが上手く閉まらなくてガチャガチャやっていたら、調子が悪いやつだったみたいで、最終的にキーのストラップを破壊してしまった。

近くに女の子がいたので、「これってどうやって使うんですか」と英語で聞いた。

私が外国人と知ったからか、あんまり覚えていないけれど、確か彼女の口から日本語が漏れた気がして、「え?日本人ですか!?」とびっくりして、そこから私のマシンガントーク

「これなんか閉まらなくて壊しちゃったんですけどどうしようw 他のはちゃんと使えるのかな、でもお金無駄にしちゃったなー最悪」

彼女を見たらカチコチに固まっていた。

 

彼女は日本人じゃなくて韓国人だった。

簡単な日本語で少し言葉を交わして、せっかくなので、ライブのために描いたイラストを彼女にプレゼントした。


彼女は洋楽の他に日本のバンド等が好きみたいで、独学で日本語を勉強していた。

そして今年のサマソニで初めて日本に来て、Blurを見たという。今年が初来日でなんでそんなに喋れるの…

「日本人とこんなに喋るのは初めてです」と彼女は言って、寒いのでコンビニに行きましょうかと誘い、イラストのお礼に暖かい飲み物とホッカイロ(韓国ではホットパックと言うらしい)を奢ってくれた。

韓国語はアニョハセヨ程度しか知らない舐め腐った奴に、日本語でこんなにコミュニケーションをとってくれるなんて、なんて良い人なんだろう…

 

時間が経つにつれて、段々と人が増えてきた。

6時に外国人用の窓口で、パスポートと購入明細を見せてチケットを交換してもらった。

開場の30分前、6時半から整番順に整列が始まった。

彼女は2桁の良い番号だったから、一旦その場で別れた。

 

欧米では、ライブは先着順で入場するので、前を取りたければ何時間も前に会場に行かなくてはならない。

ありがたいことにここ韓国では、日本と同じようにチケットに整理番号があるので、焦る必要はなく、それに従って並べた。

ただ日本と違う点として、7時に開場したらその出来た列で入場する為、それ以降は良い番号を持っていたとしても完全に無効になってしまうのが恐ろしい。

 

箱は日本のZEPPと同じくらいだと言われていて、違いと言えば、サマソニのように左右が柵で別れている。

左右ともに横に30人程並べるはずだったけど、やはり皆真ん中を狙いたいわけで、126番だった私は前から7人目位の場所に立った。

でも約2500人が入る箱で、外国人としてこの位置が取れたことには、満足しなければ罰が当たるだろうと思う。

 

ラジオが流れた

先のアメリカ、イギリスのツアーでは、発表されたタイムテーブルの、ライブの開演時刻の30分前に、Dead Club Radioというタイトルがあった。一体何なんだろうと気になっていた。

と、ここでも、30分程前にいきなり、“This is Dead Club Radio!”と言う音声がかかった。

そこから音楽が流れていく。いわゆるSEと同じようなものだけど、どうやらラジオ番組を再現しているみたいだった。

 

ところで、アルバムの2曲目のOvercomeでは、登場人物たちがラジオの音楽を流しながら、バンに乗ってDead Club Cityに向かう。

“Turn the engine on
Our song blaring out a Dead radio”
(エンジンをつけて
デッド・ラジオから鳴り響く僕らの歌)

このDead radioを、ソニーミュージックの公式は「壊れたラジオ」と翻訳していたけれど、NBT公式は頭を大文字で書いているので、私はこれはDead Club Cityのラジオなんじゃないかなと思う。

 

ジャケ画にもラジオが描かれている。

 

そうか。私達は今、Dead Club Cityに向かっているんだ。

そこまで世界観を作りこんでくる、彼らの熱意に驚く。

 

Do You Love Me Yet?の歌詞に出てくるバンド、Electric Light OrchestraMr. Blue Skyも流れた。  

 

曲と曲の合間に、女性が「Dead Club Cityご用達のグッズを手に入れましょう」と物販の宣伝をし始めるなど、やはりラジオ番組の体を装うことに抜かりない。

 

と、そこで、ゲストとしてZzzeroという人物が出てきた。Do You Love Me Yet?に登場する人物だ。

何でも欲しがる貪欲な彼は、NBTのNeon Brotherをリクエストした。

そのワードを聞き取って、途端に沸き立つオーディエンス。

Neon Brotherは、彼らがライブで演奏しない曲の中でも、とりわけファンからやってくれという要望が高い曲で、もはや“Play Neon Brother”というフレーズは、一種のネタとして、ファンの中でミーム化している。

そこでラジオパーソナリティは「嫌だね」と一蹴。

 

ファンをおちょくることが大好きな、彼らならではのいたずらに笑ってしまった。

 

さあ、もうそろそろ開演時間。

ラジオのパーソナリティはこう言う。

Dead Club Cityの皆さん

今夜は特別なゲストをお呼びしています。

Nothing But Thievesです!!!

 

靄がかったステージに、メンバーのシルエットが次々と浮かんで、小柄な人物が真ん中のマイクの前に立った。

アンニョン!!!

 

ライブが始まった

一曲目はもう、これしか選択肢が無い。

Welcome To The DCC

「デッド・クラブ・シティへようこそ!」

一言目からオーディエンスは大声で歌う。

 

Is Everybody Going Crazy?

 

興奮冷めやらぬままに、今度は3rdアルバムMoral Panicの1stシングルを披露。

彼らはMoral Panicのツアーをアジアでやらなかったから、3rdアルバムの曲を生で聴くのも、勿論これが初めてだった。

「みんな狂っていく 孤独なのは僕だけじゃないだろう? 段々自分を見失っていくんだ」

コロナが蔓延しだした2020年の春にリリースされたこの曲を、何百回聴いて、その歌詞がいかに現実を投影していることに驚いたことか。

いきなり切り替わるConorのファルセットが、五臓六腑に染み渡る…

 

Real Love Song

 

ラブソングが少ないと言われて書いたという、ひねくれたラブソング。

“This is a love song” “So what?
(これはラブソング)(だから?)

“Did it slide into your heart?” “I guess not”
(君の心に届いたかな)(無いね)

そっか、この掛け合いはライブで最高になるんだ…

Conorはもう満足げになって、最後はそのままオーディエンスに全部歌わせた。 

 

コナー君、左手でマイクを掴むから顔あんま見えないんだよな…

 

でも私は一心不乱にギターをかき鳴らすJoeが好きなので、過去の3回のライブもJoe側で見ていた。

次はDomの方にも行きたいので、来日の際は是非2公演お願いします。

 

Sorry

2ndアルバムBroken Machineより。

「多分僕は欠陥品か馬鹿なんだ
ごめん ごめんよ 僕がやってしまったことを」

懐かしいこの曲を、再び彼と歌えることが嬉しかった。

でも古い曲は全然動画を撮らなかったから、もう記憶からぶっ飛んでる…

 

Do You Love Me Yet?

 

サクサクと軽快に刻むリフが最高で、リリースされたアルバムを聴いて一番初めに好きになった曲。サビに合わせて踊るのがすごく楽しかった。

そしてここでもConorは、途中からマイクをこちらに向ける。

“Pick up the award for best rock act, apart from that, WHAT?
(ベストロックアクト賞を掴むんだ)

オーディエンスも分かってたと言わんばかりに、

“And that and that and that!!!”
(アレとアレとアレに加えて)

もはやこの掛け合いを狙って書いたのかもしれないと思うほど。

 

韓国のファンも、サビ以外はあまり歌わない点では、英語への理解度は日本人と同じくらいかなと思った。

でもどこで歌うべきか、盛り上げるべきか、ちゃんと心得ている感じがした。例え新譜であろうと、古い曲であろうと。まあ要するにノリがよかった。

少し寂しくて、でもただただ素敵なライブで、だんだん満たされてきた。

 

Conorが本当に、本当に楽しそうだった。

曲間でずっと踊っていた。

オーディエンスも熱狂的過ぎて、段々とその向こう岸にいるConorが霞んで見えてきた。

 

私は本当に彼らのライブを見ているのか?

それともこれはただの夢なのか…?

 

“You know, we love Korea!”とConorは言った。

私がこのライブに行く前から抱いていた一種の寂しさを後で咀嚼してみたら、やっぱり韓国だからなのだろうなと思った。

レディングフェスは大丈夫で、girl in redのLondonとも違って、留学してた時に見た、Marianas TrenchのNew Yorkでもない。

例えば、OsakaやNagoyaと聞いて寂しさを感じないように。

 

韓国だから。

私が大好きな彼らが大好きな「」で、こんなにも近くにあるのに、私は何をどうやってもKoreaではないから。

 

でもこの夜だけ、私はKoreaの一部になれていたでしょうか。

なる事を許されていたでしょうか。

そう願った。

 

Unperson

3rdアルバムの一曲目。彼らのアルバムはいつも、激しい曲から勢いよく始まるから最高だ。

2ndの始まりの曲I Was Just a Kidの代わりに選ばれたのだろうこの曲も、究極にかっこよかった。

Conorは最近ロックは飽きたなんて口にしていたけれど、ライブでは全然やる気だし、どんなサウンドも全部僕たちだと言っているようなものだと思った。

 

5年前、初めて彼らのライブを見た時、一生耳元で鳴らし続けて欲しいと思うくらい愛おしい重低音だと思った。

それとConorの激しくて、優しくて、切なくて、時に狂わしくて。胸に突き刺さるこの歌声は、私の中で永遠に反響し続ける。この2つがあれば私は生きていける。

 

そういえば、かなり3rdからもやってくれたな。最近のセトリをあまり見てないから、それがアジアを意識してなのか、ずっとそうなのかは分からないけれど。

 

Lover Please Stay

10年前の古い曲をやるよ、とConorは言った。

ああ、あれだ。韓国公演ならやるだろうと思っていた。2018年のジャパンツアーのセトリにそのまま追加して、韓国だけで演奏した事を根に持っていたので。

でも前日はやらなかったみたいなので、聴けてラッキーだったな。

「僕から何でも奪っていってくれて構わない。でもどうか、僕のそばにいて欲しい」

Conorの優しい歌声に合わせて、観客のスマホのライトが揺れていた。

 

Trip Switch

長いこと分からなかった。なんで彼らが1stアルバムから執拗にこの曲だけを選んで演奏するのか。

その日、やっとわかった。これもライブでやると最高なんだ。

 

 

この日はJoeの誕生日だった。

ケーキはファンが用意したのかな。

バンドが韓国公演をする時、おそらく楽屋でのケーキの写真をインスタに載せることが多い。ファンのこういった活動を会場が容認してくれるのは羨ましいな。

蝋燭の火を吹き消したら、そのまま顔面ケーキ… とはいかず、拍手で終わるという、ロックバンドには珍しい、とても平和なバースデーサプライズでよかった。

 

Impossible

私がこのライブで一番聴きたかった曲だった。

2020年秋にリリースされた直後に聴いて、この歌詞はまるで、私から彼らの音楽へ向けたものじゃないかと思ったから。

「君の中に沈み込んで、二度と浮き上がりたくない」

遂に生で聴くことができて幸せだった。

周りのコーラスも切なくて泣きそうだった。

ただ、これだけはどうしても動画を残したかった曲だったから、私は小声で歌った。

今度は大声で一緒に歌えるよう、またライブに行かせてください。

 

Pop The Balloon

Dead Club Cityを破壊する、アルバム最後の曲を、やはり彼らは最後に用意してきた。

Kill the Dead Club City!!!

街を破壊しつくして、彼らはステージの奥に消えた。

 

すぐに“アンコール”の掛け声が始まる。韓国でもアンコールって言葉使うんだ… と思った。でも私達は洋楽ではアンコールって言わないよな。バンドに理解されてるのかな。

その掛け声は途中から“NBT!”に代わり、そう長くは経たないうちに、彼らはステージに戻ってきた。

 

アンコールにやる曲と言えば、2017年の2ndアルバムのツアーから彼らのアンセムとなった、Amsterdam以外ありえない。

それにプラスして、Overcomeが、代わって新たなラストソングになった。

 

Joeが今までで一番好きなギターソロだと言っていたなあ。

「コンセプトアルバムだけど、それに囚われず、色んな風に曲を解釈してくれていいんだよ」とConorが言っていたように、「その痛みをそれ以上のものに再定義してみたら、きっとまた乗り越えていけるはずさ」という歌詞は、沢山の苦しみを経験してきた彼らだからこそ書けたポジティブな歌詞で、私達を前へと進ませてくれる気がする。

数日前にSpotifyのまとめがリリースされたけど、この曲は私が今年一番聴いた曲だった。

 

さあ、Dead Club Cityは崩された。

明るく爽やかな音楽と共に、ライブは終わった。

 

出待ち

この会場は出口が一つしかないので、よく出待ちができることで有名だった。

余韻は一旦脇に置いといて、ロッカーから急いで掻き出した荷物をトートバッグに突っ込み、横に並んだ出待ちの柵に飛びついた。

2列目が取れた。ので、とりあえずイラストくらいは渡せそう。

 

ライブ前に知り合った子と連絡を取ろうとしたら、「手を挙げて居場所を教えてほしい」「渡したいものがある」と言われた。

渡したいものはもちろんメンバーへの物だと思ったし、せっかく2列目が取れたので、じゃあこっちおいで~という気持ちで手を挙げたら、後ろから来た彼女は私にDomのギターピックを手渡して、私へのプレゼントだと言った。

意味が分からない。

 

昨日も最前列でピックを手に入れたからだと言う。

でもだからって。

ここに来るまではもう、ちゃんと辿り着けるか、ちゃんと彼らを見れるか、ちゃんと楽しめるか否かしか考えていなかったから、ライブのこの日に、この場所で新しい友達が出来て、その子からこんなプレゼントを貰うだなんて、想像すらしていなかった。

 

彼女は出待ちはしないで帰ると言った。

私は「また会おう!」と言うので精一杯だった。

 

《セットリスト》

待機中、持っている子に写真を撮らせてもらった。

お礼に周囲の子達にイラストをプレゼントした。

みんな私が日本人だとわかると、簡単な日本語を喋ってくれて、びっくりした。

 

ただ、前日に出待ちに成功した人達が写真を上げたため、皆期待をして、人数が何倍にも膨れ上がっていたみたいだった。結局メンバーは車に乗って通り過ぎてしまった。

私は一度機会を得たら満足してしまうたちなので、ConorやJoeとは2018年に写真を撮ったことがあったし、あまり会うことには執着していなかったけど、とにかくここまで来たからには、日本のファンの為にも、「日本に来てほしい」と伝えたかった。それが出来なかったのが心残りだった。

 

 

時刻は10時半過ぎ。

気温は-5度になっていた。

なんかもう寒いというか、痛い。

 

出待ちしていた子達はタクシーで帰ると言って、その場で別れた。というか、最後まで日本語で喋ってくれて、本当に何なんだこの人達は。

私が韓国の人々に対して抱いていたイメージはことごとく覆されていった。

 

ライブ後は、サムギョプサルで一人打ち上げ~なんて呑気に考えていたものの、調べていたお一人様OKの店はもう閉店時刻を過ぎていて、電車を待ちながら24時間営業のお店を適当に見繕って、よろよろと向かった。

 

5年間生きがいにしていた音楽の爆弾を全身に浴びたので、ボロボロだった。

 

最高だった。

これに尽きた。

 

メニューは二人前しか選べなかった。なんか説明されてたけど分かんなかった。

全てが1キロ先の他人の会話並みにどうでもよかった。

目の前で勢いよく焼けていく肉を慌てて皿に積み上げて、サムギョプサルは野菜で肉を包んで… とかいう正式な食べ方も、なんかもう全部一緒に食べたら実質同じじゃんと思って、適当に口に放り込んだ。韓国の皆様、ごめんなさい。

辛い物を食べたら暖かくなるかと思ってキムチも口に突っ込んだけど、寒さの痛いに辛さの痛いがプラスされただけだった。

 

午前1時くらいにホテルに戻った。

今日を終わらせたくなくて、ぼーっと動画を眺めていたら、朝の5時とかになった。

 

翌日

昼近くに目覚めたら、出待ちの時に知り合った子からDMが来ていた。

 

開いたら、Conorが私の絵を持っている動画があった。

 

は???

 

彼女は今朝空港でメンバーに会い、彼らに日本に行ってくれるよう伝えてくれたようだった。

そしてConorに私のイラストを渡してくれた。

なんで昨日会ったばかりの人間にそこまでしてくれるのか、全く理解できなかった。

とにかく泣いた。

なんでみんな、こんなに親切なんだろう。

 

 

私の兄は昔から(それこそインターネットが普及しだした彼が高校生ぐらいの時から)いわゆるネトウヨというやつで、嫌韓で、ヘイト発言をまき散らしていた人物だった。

だから自然と、なんとなく、私達も韓国人に嫌われているのではないかと思っていた。

ニュースで流れてくる両国の話は芳しくないものばかりだったし。

これも、今回の渡韓をためらっていた理由の一つだった。疎外感を味わうのが怖かった。

K POPみたいな自国のアーティストが好きで見に来るならともかく、全然関係ないイギリスのアーティストだし。

 

独りぼっちでライブを見て、独りで凍えながら帰ったら、寂しさでもう、これが人生で最後のライブになるもしれないと思っていた。

 

でも違った。

こんなにも素敵な出会いがあるなんて思っていなかった。

韓国の人へと抱いていたわだかまりが、跡形もなく消え去っていった。それがすごく救いになった。

 

意外なことに、その後の数日間の滞在中、普段の海外旅行と違って、現実に戻りたくない、日本に帰りたくないとは思わなかった。自分でもよく分からないけれど。

ただの現実逃避と違って、その逃避先に、私を受け入れてくれた人達がいたからかもしれない。

これから先、たとえ彼らが来日しなくても、韓国に見に行けばいいかなと思ったら、なんだか気が楽になった。

知り合った子達も、日本が大好きで、NBTが日本に来たら見に行きたいと言ってくれた。きっと再び会うことができるだろうと思ってる。

 

とりあえず、次に彼らのライブを見れる時まで、Conorが、見ず知らずの日本人に向けて、「イラストを受けとったよ」と伝えるために、カメラ側にそれを見せた、その事実と共に生き延びようと思う。

 

イラストにプラスして、このバナーも作って持って行っていた。

Conorのサイドプロジェクト、Man-Made Sunshineが本当に本当に大好きだったので。

チキンすぎて人の視界の邪魔になるのが怖くて、一瞬しか掲げられなかった。

距離的には見えただろうけど、彼はMCで喋っていたから、気付いたかどうかは分からない。

本当は来日公演で、最前列で見せたかったものだったから、希望を捨てずに取っておく。

 

 

10000字を超えた…

貴重な時間をこれを読むのに使ってくれてありがとうございます。

 

 

Conorのサイドプロジェクト

 

Conorの自宅訪問記

 

2ndアルバムBroken Machineについて書いた文

 

久々に素敵な夢を見た。

学校の教室にいて、後ろの席にYUNGBLUDが座ってた。

1stの前のような野暮ったい出で立ちで。

 

私が後ろを振り返って“I kinda feel pressure sitting ahead of you”というと、彼は“Why”と聞く。

私は“Because you are gonna be famous, you are gonna be famous YUNGBLUD! I promise”と答えてた。


夢は別の日に飛んで、その日は日本語だった。

彼が路上ライブをする日だったけど、雨が降っていた。
私が「他の人ならやらないと思うけど、 YUNGBLUDならやるんじゃないかな」と言うと、元気よく外に飛び出していった。


毎日とてもリアルな悪夢に閉じ込められてるけれど、50日に1日くらい、こういう素敵な夢を見る。

目覚めないで欲しかった。

 

 

なんか忘れないうちにと思ってすぐに書き留めたけど変な夢だな…笑

 

 

 

【ライブレポ】2023年まとめ

今年はライブごとにちゃんとレポートを書こうとか言ってたのに、結局途中からやらなかったね。

まあ自分は有言不実行人間なので、どうせ口にしたことはやらないし、口にしてしまった願望は叶わないと思ってる。

 

The 1975は複雑だったけど、以前は長々と書いていたAURORAですら書かなかった。

ちゃんと楽しかったけど。なんだか自分の文章が嫌になってしまった。

というわけで、あまりやる気のない今年のまとめ。その割には結局5000字も書いてしまったけど。

 

Rina Sawayama (1/16)

 

girl in red (1/25)

 

AURORA (2/17)

なんかコンサートとして完成度高すぎたな。

振り返ってみて、公式にライブ映像作品でも作ってくれたらよかったのにとすら思った。

Exist for Loveの“I love you…”の終わりに“We love you!”と叫んだ男性にMVPをあげたい。

私は最前列にいたので想像くらいにしかならなかったけど、MCの掛け声とかでファン層も幅広くなった気がした。

 

昔は彼女の曲のもつメッセージとかを理解しようと、必死に翻訳したりしてたのに、今やなぜか彼女の方が日本語を喋りだして、テレビにまで登場するし。

公式が解釈違い起こしてるんだが…???

ただ私は相変わらず気持ちの悪いファンなので、彼女のアームピットヘアが健在なことを目視して安心した。

 

なんだか一瞬で、あまり記憶が残ってない。

クライマックスが早すぎたのと、小休止が無かったのも、一瞬に感じた理由の一つだったのかも。

Heathensは今回すごく楽しみにしていた曲。新譜のジャケットを表現したみたいな赤いライトに包まれた、彼女の透き通るような歌声が美しかった。でもそれと正反対に、歌詞にとても強いメッセージが込められているところも彼女らしくて。

ライブの最後の曲だったDaydreamerを早々にやってしまって呆気にとられた。私達も始まりから歌いっぱなしで興奮が止まらなかった。

彼女の音楽に身を任せて自由に踊る様がとても素敵だった。

(※鍵をかけてるときは見れない n回目)

 

Queendomでは背後のスクリーンが虹色に染まって綺麗だった。

 

投げ込まれたプログレス・プライド・フラッグを彼女が掴んで振り上げたタイミングも完璧だった。

まるで絵画か、彫刻のようだった。

このフラッグ、この後のアジアツアーでも再登場し、南米のフェスのステージにまで彼女と一緒に旅していて、自分のことのように嬉しい。

 

代わりに最後の曲となったGiving Into The Loveも、オーディエンスが一つになる感じがしていい選曲だと思った。

 

《セットリスト》

左のお面はAURORA JAPANのお友達に頂いたもの。

ステージからはける時に、ステージに投げ込まれたもの全てをちゃんと抱えて立ち去るアーティストを初めて見て、それがすごく印象に残ってる…

 

PUNKSPRING (3/25)

 

The 1975 (4/27)

3A会員なのにS席を選んだら完全にステージの真横だった。

しかも笑えることに、カメラマンがステージのど真ん中を遮っていてすごく邪魔だった。ここで余計な運を使わずに済んで助かったわ…

「グレイテスト・ヒッツ的な感じで行くから」と言ってた昨年のサマソニの方が、セトリはよかったかなあ。

でも新譜のしんみりした曲調をゆったり聴けたのも、なんだか別のコンサートみたいでそれはそれでよかった。席があるからスペースにも余裕があったしね。

 

なんかファン層変わったよな~

2ndのLove Meとか出してた頃までは、黄色い声が飛んでくるようなライブで私も興味がなかったし、ただメンタルヘルスとか社会問題とかに向き合うような曲を出してからは、気になって聴くようになって。

なので色々嫌なことを聞いてしまって残念だった。失望した。多分もう彼らを見るのはこれが最後だと思うし、どのみち次の来日公演なんて6年は先なんじゃないか?

ありがとう。さようなら。

 

 

今年はサマソニに行かなかったな。

昨年からフィギュアスケート熱が再来して、何回か試合やショーを見に行っているので、どこかで折り合いをつけないと破産するぞ…と思った。

フィギュアスケート、前の席は25000円とかするから、余裕で洋楽フェスを超えてくるんだよな。

でも遠くの席だとテレビで見る方がよっぽどいいから、現地に足を運ぶ限り一番いい席を選ぼうと思う。

 

 

NEX_FEST (11/1)

Bring Me The Horizonは2019年の来日を見逃したので(寝坊してチケットを買えなかった)、切望していた来日。

東京は出演アーティストが多い分チケットも高いし、YUNGBLUDを待つ時に日本の某バンドを見たくなかったのと、名古屋に行ってみたい場所があったのと、友達にも会えるのとで、名古屋を選んだ。

 

名古屋城の麓でクレイジーなヌン活。

そして会場に向かおうとしたら、大阪から来る友達がYUNGBLUDが今新幹線に乗ったと情報をくれて。

時間まだあるし、そりゃ駅寄るわ!!!

無事に彼に会えて写真を撮ってもらえた。

本当に感謝、涙

 

I Prevail

想像以上に最高だったなあ…

やっぱりこの距離で見れたのは名古屋ならではだったのでは。

予習はしてたけど、メンバーの写真を対して見てなくて誰一人として知らなかったので、ボーカルがかわいくてびっくりした。NBTのコナー君みたいだった。

 


ボーカルに日本を好きになってもらえてよかった。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Brian Burkheiser(@brian.burkheiser)がシェアした投稿

大学時代に留学してたミシガン出身なのも嬉しいなあ。

他にも沢山のオーディエンスを虜にしたようなので、この熱が冷めないうちに早急にブッキングして再来日させてほしい 。

 

YUNGBLUD

昨年のサマソニを焼きまわしたような感じだったな… 楽しかったけど。

昨年のサマソニでどっとファンを増やしたみたいに、彼は愛嬌があるし盛り上げるのが得意だし、フェスにおあつらえ向きのアーティストなのかもしれない。

 

Baby Metal

行ったことのある色んなフェスに出てたけど、同じ時間帯には別のアーティストを選んでいたので、見るのは初めてだった。

堂々としていてかっこよかった。すごいなあ、世界を相手にして活動してるんだもの。

前に行く必要がないので、 後ろの方で熱狂的な男性ファンの踊りを若干引きつつ見てた。

 

Bring Me The Horizon

マイケミよろしく、BMTHもここ数年は全く聴いてなかった。

でも冒頭のCan You Feel My Heartの、会場の空気を破裂させるような轟音で、彼らの音楽は即座に私の脳裏で目を覚ました。

あーそうだ、自分はこういう爆音が好きだった。(轟音や爆音としか表現できないのは音楽的知識が皆無だからです)

頭の中の余計な思考を吹き飛ばしてくれる感じもするし、すごくいい。

メタルで癌は治るとかなんとかいう画像がよく流れてくるけど、癌には効かなくても鬱には効くのかもしれない。

 

Happy Song、好きだったなあ。

私は初期ではなく傘アルバムがきっかけで彼らの音楽を聴くようになったから、事前にセトリを全く見てなかったけど、そこからいっぱいやってくれて嬉しかった。

 

昔は、Oliはなんか生き急いでいるというか、タンクトップを着てガリガリで、既にタトゥーまみれで、身を絞るようにひたすらに叫んでいて。

この人すぐに死んじゃうんじゃないかと思うような脆さ?を自分勝手に感じていたけども、今やなんだか早死にを通り越して、神様みたいだった。

髪型と服装も手伝ってだと思うけど。とても崇高な存在に見えた。

 

Mantraは、いいかげんに作られたカルト宗教が人々を洗脳してしまうことを皮肉った曲だけど、そんな背景はもうどうでもよくなってしまうくらい、曲そのままに、その日のステージ上の彼はまさに教祖で、私達は皆その教徒だった。

彼の宗教なら入信しても構わないと思った。

 

舞台セットが壮大で、最高にかっこよかったなあ。

アーティストのアジアツアーだとほとんどの箱がちっちゃくて、本国でやるツアーのセットを持ってこないことが多いから、やっぱり大きな会場でやるフェスならではだな。本当に今回の主催に感謝。

名古屋はトイレも全然混まなかったし、東京よりも快適で、これから先またフェスが開かれるとしたら、行ってしまうかもしれない。

 

YUNGBLUD (11/6)

YUNGBLUDの待望の初単独公演。

認知が歪みすぎて、チケットを発券して18、19の番号を目にしたとき、嬉しいよりも即座に「ああ、そんなに売れてないのか」と思った。

自分から聞いた他の人たちよりもいい番号だった。人に安直に整番を聞くのはやめようと思った。

 

もっといっぱいやってほしかったな… なんで彼のライブはいつも一瞬なんだろう。彼自身がエネルギーの爆弾みたいだからか。

私が彼を気になりだしたのは、確かテレビ番組だかで、1stアルバムのI Love You, Will You Marry Meのライブ動画を見たからで、なんて破天荒な歌い方をする人なんだろう、と思った。

暴れたいのに、口の中に磁石が入ってて、かろうじてマイクに引っ付いてる的な。

そのパフォーマンスの名残を、冒頭のThe Funeralで感じた。同じ調だし。コードは分からないけど。

I Love Youが見たかった自分よ、これで成仏してくれ。葬式をテーマにした曲だけに。

AnarchistCaliforniaを追加してくれたのは嬉しかったな… 出会った頃の彼と再会を果たした気がして。

 

なんか変顔しすぎてギターのAdamの方がかっこよかった。

 

彼が頑張って日本語で叫ぶ「JANPU!」に残念ながら応じられないのが、最前列あるある。一度浮いたら足の置き場が消えるんで。

再び認知が歪みすぎて、彼がいきなり目の前にしゃがみこんで、私とYUNGBLUD JAPANの友達に向かって「フラッグを渡せ」という仕草をした時も、咄嗟になんか怒られてるのかと思った。

 

1stのKill Somebodyがあそこまで盛り上がったのも意外だった。

日本だからもっとしんみりしたバラードになるかと思ったのに、海外ばりのシンガロング。もう笑っちゃうくらいに。だって自殺したい曲なのに。その負の感情の存在をすごく肯定された気がした。

 

日本でライブをする限り、社会批判やマイノリティへの肯定なんかの、強烈なMCとは無縁なことは、ちょっと寂しかった。

意思の疎通だけで精一杯だし。

でも「ありのままの自分を見せてくれ。俺と君達は同じだよ」とゆっくりと言ってくれたことは、彼なりの私達への温かいメッセージであり、彼の海外のライブ動画を見て感じてきてたファンとの繋がり、あたかも集会のような感覚を思い出して嬉しかった。

 

ファン層も幅広く感じてよかったな。男女も半々くらいで。

あとお洒落でユニークな服装の人が沢山いた。私ももっと武装してもいいのかもしれないと思った。でももしかして:みんな私よりずっと若いのでは…

思い付きで作った彼のハートのタトゥーシールを、何十人もの人が一緒につけて盛り上がってくれて嬉しかった。

 

Haze (11/14)

久々に好きになった邦楽バンドのライブ。

一時ちらっと聴いてたアイドルZOCの元メンバーかてぃが始めたバンドで、普通に歌詞が良い。

結局そのアイドルグループは、一人が辞めもう一人が辞め、アイドルってこんなに儚いのか…(呆れ)と思ってもう聴いてない。

メンバー入れ替わりまくったせいか、過去を清算するかのようにグループ名も変えたし。

 

YUNGBLUDで見事にインフルを貰い、病み上がりなので後ろから大人見。でも辛うじて見れてよかった…

 

それでも私は人の肩書きや経歴に平伏してしまうたちなので、一度ではあるものの、武道館で踊っていたアイドルをこんな小さな箱で見れてしまうことに戸惑った。

かてぃは写真で見るより可愛かった。

そしてかっこよかった。

ギターを手にマイクに向かって叫びまくる彼女は、大森靖子ブランディングされてたアイドル時代よりよっぽどキラキラしていて、こっちの方が最高じゃん、と思った。

思ったよりずっとお喋りで楽しかった。

ベースのハナちゃんも可愛くて、可愛い子がゴリゴリにベース響かせてるのって最高だな。

 

なんで邦楽は未だに録画禁止なんだろう。このソーシャルメディアが物言う時代に。

昔、あいみょんが路上ライブしてた時の動画がバズってたのを思い出す。「この人誰ですか?」というリプライが付いてた。あれで彼女を知った人がどれだけいたことか。

 

もっと知られてほしい。

と思うのは私のエゴか。インディーズの中では多分売れてる方だし。

 

邦楽のライブもたまには良いな。

私は彼女達のライブをまた見にいくだろうと思った。

 

 

本当はあと一つライブの予定があるみたいだけど、ちゃんと見れるかもうなんも自信がないので、見れたら書き加える。

だって口にしてしまった願望は叶わないと思ってるから。

 

最後に見たライブ

 

【和訳】Nothing But Thieves まとめ

そういえば、彼らのアルバムの歌詞を2ndからクソ適当にまとめたやつが出てきたので、ここに載せておく。

こんな感じのこと歌ってんだよ〜という。

ちゃんと訳したものはリンクを貼っていく。

 

Broken Machine

鬱状態になったコナーの精神を歌ったアルバムでとにかく狂ってる。彼らを大好きになった作品。

I was just a kid
僕がまだ子供だったから
君は信じられるものをくれてた
人生はまだ続いてる 何か信じられるものをくれ

Amsterdam
あいつらみたいになりたくないから
壁に頭ぶちあててる 
何度も何度も

Sorry
僕は出来損ないで馬鹿 ごめん

Broken Machine
僕は壊れた機械だからもう何も出来ない
僕は壊れた機械だからもう何でも出来る
ラララ♪

Live Like Animals
僕達は獣みたいに生きる
狂ってるよ 
目を覚ませ これが現実だから

Soda
とにかく自分が嫌 他の誰かになりたい
子供の頃に頭から落っこちたから頭おかしいのかも

I'm not made by design
僕は目的があって作られたんじゃない

Particles
ドクター助けて 僕はおかしいんだ
僕の分子を組み替えないと

Get better
僕はずっとおかしいままな気がする
酸素が足りない
突然の機内アナウンス
「酸素マスクが降りてきたらまず
ご自身が装着して下さい」 

Hell Yeah
そうだ地獄へ行こう♪
我が家みたいな感じ

Afterlife
来世は君がいないから怖い

Reset Me
僕をリセットして1からやり直そう 

Number 13
13って数字は怖いっていうよな
君みたいだ

 

Moral Panic

1stシングルIs Everybody Going Crazy?が発表されたのが2020年の春。

コロナが蔓延しだして街に人がいなくなった時。

タイミング的にアルバムの歌詞が合い過ぎて恐ろしい。彼ら自身も今リリースしていいのか戸惑ったくらい。

Unperson
僕は非人間
クローンのクローンのクローンのクローン

Is Everybody Going Crazy?
みんな頭がおかしい
君と連絡が取れない
孤独なのは僕だけじゃないはず

Moral Panic
世紀末 もう手遅れ
人生最期に見る海はとても綺麗だね

Real Love Song
これはラブソング、とか言ってみたいだけ

Phobia
インターネットはクソ

This Feels Like the End
突然のニュース速報 
「7人死亡...」「17人死亡...」「57人死亡...」
感染拡大、ドライブスルーの葬式
段々感覚が麻痺してくる
いつまで続くんだ???
醜い自分達から目を背けたい 

Free If We Want It
振り返らずに進もう(稀に見るポジティブ)

Impossible
君の中に沈んで消えたい

There Was Sun
あの頃の自分に戻りたい

Can You Afford to Be An Individual?
トランプくたばれ

Before We Drift Away
歳なんかとりたくない

 

Dead Club City

1stシングルWelcome to the DCCでいきなり「素晴らしい世界」が登場し、最後にそれをぶち壊すどんでん返しが待っているコンセプトアルバム。

いろんな登場人物(いろんな立場の目線)から見た街を歌ってるらしい。

Welcome to the DCC
この街では毎日が天国
幸せになろう!
完璧な人生を送ろう!

Overcome
あの街へ行こう
過去を乗り越えて

Tomorrow Is Closed
この世界はもう終わり

Keeping You Around
街の中で楽しいフリしてるけど疲れてきた
やっぱり僕は駄目人間

City Haunts
やっぱりこの街はなんか嫌な感じ
出ていこう

Do You Love Me Yet?
売れる為なら何でもやってやる
だから街に入れろ

Members Only
街に入れてくれない
上級国民はクソ

Green Eyes :: Siena
君のエメラルドグリーンの瞳が好き
それが僕がこの街に留まっていた理由

Foreign Language
時々君が何言ってんのか分かんない
でもなんかそれも好き

Talking To Myself
独り言を呟いてる
結局まだ生きてる
でも今は自分の足でちゃんと歩いてる

Pop The Balloon
正気に戻れ
街を破壊しろ

4thアルバム解説&ライブレポ

 

こう見ると、4thで初めてのコンセプトアルバムと言っていたけれど、他の作品もちゃんとテーマに沿って作られていることがわかるな。

 

その他の曲

 

礼記

 

【和訳】Pop the balloon / Nothing But Thieves

4thアルバムDead Club Cityの最後の曲。

Pop the balloon

Blow up the moon
Pop the balloon
Do it for you
Kill the Dead Club City
月を爆破しろ
正気に戻れ
君がやるんだ
Dead Club Cityを終わらせろ

Eat up the clouds every night
Never really had a choice
Read the forum, says you'll die
Yours sincerely, IncelBoy x 
毎晩空想を鵜吞みにしてる
チャンスなんか元から手にしてなかった
フォーラムを読め 君は死ぬだろうってさ
よろしく頼むよ IncelBoyより

Find a dream to gentrify
Choose a line to disappear
Pick a fear to advertise
God is quite a cute idea
価値を誇れる夢を見つけろ
立ち去る道を選べ
自分をひけらかす恐怖を手に取れ
神様なんて甘っちょろい考えだ

(Yeah, yeah, yeah)
Blow up the moon
Pop the balloon
Do it for you
Kill the Dead Club City
(Yeah, yeah, yeah)
Blow up the moon
Pop the balloon
Do it for you
Kill the Dead Club City
月を爆破しろ
正気に戻れ
君がやれ
Dead Club Cityを終わらせろ

Crypto FOMO kicking in
Crеate chaos by design
Tell mе, who built the pyramids scheme?
So good to be so online
(Yeah, yeah, yeah)
金をつぎ込む 暗号通貨の依存者たち
混沌を産み出せ
教えてくれよ
誰がその無限連鎖を考え出したんだ?
オンライン空間は最高だな

Blow up the moon
Pop the balloon
Do it for you
Kill the Dead Club City
(Yeah, yeah, yeah)
Blow up the moon
Pop the balloon
Do it for you
Kill the Dead Club City
月を爆破しろ
正気に戻れ
君がやるんだ
Dead Club Cityを終わらせろ

But who am I to chastise you?
Yeah, who am I to say it when I'm guilty of it too?
Mm, yeah, who am I for judgin' you?
Yeah, who am I to say it when I play my songs for you?
でも君を正そうだなんて
僕は何様のつもりだ
罪悪感があるのに そんなことを言うなんて
何様のつもりだ
君を批判するなんて
何様のつもりだ
甘い歌を歌って聞かせたのに
そんなことを言うなんて
一体何様のつもりなんだ

We're gonna shed off the weight and watch it all float away
We're gonna shed off the weight and watch it all float away
We're gonna shed off the weight and watch it all float away
We're gonna shed off the weight and watch it all float away
We're gonna shed off the weight and watch it all float away
We're gonna shed off the weight and watch it all float away
We're gonna shed off the weight and watch it all float away
We're gonna shed off the weight and watch it all float away
重圧を脱ぎ捨てて
そいつが消えてくのを見るさ

Blow up the moon
Pop the balloon
Do it for you
Kill the Dead Club City
Blow up the moon
Pop the balloon
Do it for you
Kill the Dead Club City
月を爆破しろ
正気に戻れ
君がやるんだ
Dead Club Cityを終わらせろ

IncelBoyはまた登場人物を示しているみたいなので、固有名詞のままにした。

インセルは「人生をあきらめた独身者」という意味らしいんだけど…

 

ところどころ分からないけど、とにかく最後が「Dead Club Cityをぶち壊せ!」で終わったのはよかった。

1stシングル1曲目からのどんでん返しが、作品として完成度高すぎないか…

 

ただ1曲目が発表された時点で、海外のファンの子たちが次々とDead Club City(特権階級)のシンボルマークのタトゥーを彫り始めて、ほんとにそれでいいんか… とハラハラした。物語の結末を聴かずにして。ノリが軽すぎる。

いや、ほんとにそれでよかったんか。

 

早く国内盤が出て答え合わせが出来ると良いなあ…

 

 

【和訳】City haunts / Nothing But Thieves

City haunts

City haunts been hauntin' me
Train tracks keep trackin' me
Sleazeballs eyeballin' me for too long
街が僕に憑りついてくる
線路が僕の跡をつけてくる
いつまでもこっちを見てる
いけ好かない奴が

Hackney prick asking for a light
Hey, meet me in the bathroom, okay?
Sold a dream, now we're circlin' down the drain (Yeah)
It's your money, guy, or it's your life
The party's just run out of space
It'd be a lie if I said that I got this place
救いを求めてる 平凡な奴が
なあ トイレで落ち合おうや
夢を売って 下水溝に落ちていく
これはお前の金か人生だろ
パーティーはもうおしまいだ
この街を手に入れたって言うなら
そいつは嘘だな

City haunts been hauntin' me, ah-ha-ha
Train tracks keep trackin' me, ah-ha-ha
Sleazeballs eyeballin' me for too long (Yeah)
街が僕に憑りついてくる
線路が僕の跡をつけてくる
いつまでもこっちを見てる
いけ好かない奴が

Watch us fade into the night
I've got the embassy on the phone
Best believe that you're so damn good for the soul
And it's a cruel part of town, honey
One more round and we're gone
僕らが夜に溶け込んでいくのを見てろ
電話で大使館を呼びつけた
君は最高に使える奴だってば
それがこの街の残酷なとこだ
もう一杯ひっかけたら 僕らは出ていくさ

City haunts been hauntin' me, ah-ha-ha
Train tracks keep trackin' me, ah-ha-ha
Sleazeballs eyeballin' me for too long (Yeah)
街が僕に憑りついてくる
線路が僕の跡をつけてくる
いつまでもこっちを見てる
いけ好かない奴が

Can you do that thing to me? Ah-ha-ha
Sweet song that you sing to me, ah-ha-ha
'Cause it's so rare to find a common mind
Around here
Around here
あれを僕にやってくれ
僕に聞かせてくれる甘美な歌だよ
だって同じこと考えてる奴を見つけるなんて
めったに無いからさ
ここでは
ここでは

City haunts been hauntin' me, ah-ha-ha
Train tracks keep trackin' me, ah-ha-ha
Sleazeballs eyeballin' me for too long
街が僕に憑りついてくる
線路が僕の跡をつけてくる
いつまでもこっちを見てる
いけ好かない奴が

Can you do that thing to me? Ah-ha-ha
Sweet song, yeah, sing to me, ah-ha-ha
'Cause it's so rare to find a common mind
Around here
Around here
あれを僕にやってくれ
僕に聞かせてくれる甘美な歌だよ
だって同じこと考えてる奴を見つけるなんて
めったに無いからさ
ここでは
ここでは

上流階級の街に入れても、互いにいがみ合っていて、ユートピアなんてのはただの幻想だった… みたいな曲かなあ。

 

【和訳】Do you love me yet? / Nothing But Thieves

アルバムを聴いて一番初めに好きになった曲。

Do you love me yet? 

Another Zzzero to sell the earth
Negotiate with the universe
To gain some extra privilege
And make your god in my image
地球を売り飛ばす もう一人のZzzero
宇宙全体と交渉する
特権をもっと得るために
君の神を僕にするために

Hollywood chic, drink my pride
And I'll be flavour of the week, I'll get inside
Pick up the award for best rock act, apart from that
And that and that and that
ハリウッドのお偉い方
僕のプライドを飲んでみろ
今週の流行りになって 仲間入りしてやる
ベストロックアクトの賞をつかむ
あれとあれとあれとあれとは別に

Do you love me yet?
I'll make myself a fool for you
Do you love me yet?
Just tell me what I've gotta do
Do you love me yet?
Do you promise I'll be hitting it soon?
僕のことをまだ愛してる?
君の為なら馬鹿な真似でもしてやるよ
僕のことをまだ愛してる?
何をしたらいいか教えてくれ
僕のことをまだ愛してる?
すぐに上手くやれるって信じてくれる?

Oh, if I can stop fucking around
I'll be worth a fortune
Do you love me yet?
ふざけたことを辞めたら
大物になってやるさ
僕のことをまだ愛してる?

Exploit a fan base and call it love 
Be controversial but just enough 
It sounds kinda like ELO 
Get sued but you'll meet a hero 
ファンを利用して そいつを愛と呼ぶ
矛盾してるけど そんなもんさ
ELOみたいな感じだな
訴えられても 英雄に会える

Holding me up like 
I'm divine before the 
Culture takes a turn 
Eats me alive 
Pick up the award for best dropped act 
Apart from that 
and that, and that, and that 
僕を褒め称えてくれ 神みたいに
流行が切り替わって
僕を生きたまま喰い殺す前に
ベストロックアクトの賞をつかむ
あれとあれとあれとあれとは別に

Do you love me yet?
I'll make myself a fool for you
Do you love me yet?
Just tell me what I've gotta do
Do you love me yet?
Do you promise I'll be hitting it soon?
僕のことをまだ愛してる?
君の為なら馬鹿な真似でもしてやるよ
僕のことをまだ愛してる?
何をしたらいいか教えてくれ
僕のことをまだ愛してる?
すぐに上手くやれるって信じてくれる?

Oh, if I can stop fucking around
I'll be worth a fortune, yeah
If I can stop fucking around
I'll be worth a fortune
Do you love me yet?
Oh, oh
ふざけたことを辞めたら
大物になってやるさ
ふざけたことを辞めたら
大物になってやるさ
僕のことをまだ愛してる?

Let me in the world above
If there's nothing of me 
If there's nothing of me 
What's left when I'm gone? 
Yeah life just isn't long enough 
Don't stop, give it to me 
Don't stop, give it to me 
I want it all 
上の世界に入れてくれ
僕に何の価値もなかったら
僕に何の価値もなかったら
死んだ後に 何が残る?
人生はたいして長くない
躊躇うなよ そいつを僕によこせ
躊躇うなよ そいつを僕によこせ
全部手に入れたいんだ

Do you love me yet?
I'll make myself a fool for you
Do you love me yet?
Just tell me what I've gotta do
Do you love me yet?
Do you promise I'll be hitting it soon?
僕のことをまだ愛してる?
君の為なら馬鹿な真似でもしてやるよ
僕のことをまだ愛してる?
何をしたらいいか教えてくれ
僕のことをまだ愛してる?
すぐに上手くやれるって信じてくれる?

Oh, if I can stop fucking around
I'll be worth a fortune, yeah
If I can stop fucking around
I'll be worth a fortune
Do you love me yet?
Oh, oh, yeah
ふざけたことを辞めたら
大物になってやるさ
ふざけたことを辞めたら
大物になってやるさ
僕のことをまだ愛してる?

名声が欲しくなったり、あるいはファンを失うのが怖くて、自分を見失っていくミュージシャンの皮肉さを歌った曲なのかなあ。

一番リズムが面白いapart from that and that and that and thatの意味に自信がないのが残念。

 

Zzzeroはこのコンセプトアルバムの登場人物らしい。

ELOELECTRIC LIGHT ORCHESTRAというバンドで訴えられたりしたみたいだけど今度調べてみる。

 

ロキノンのインタビューでインタビュアーがコナーに国内盤の話をしていたから、いつか出ると思うし、その時に同時に来日公演も発表されるんだと信じてるけど…