girl in redのライブを見た。
大阪で。
ほとんどライブレポの体をなしてないから読む価値がない。
気を抜いてたら東京公演の先行受付が終わってた。
慌てて一般販売は販売開始時間前からスタンバイしてたのに、繋がらなくて買えなかった。こんなに人気になってるなんて知らなかった。
大阪はまだ余っていたけど、果たして遠征するほど見たいのか。昨年5月に見たし…
でも“You went all the way to the England to see her show then why don’t you see her when she is in your country???”という思考になってしまった。
数年前にもNothing But Thievesの大阪公演のチケットを直前に買ったことがあって、この時期はバス代がめちゃくちゃ安いのも知ってた。だから今回も軽いノリ、というか投げやりで大阪のチケットを購入した。
が、当日、10年に一度らしい大寒波がぶち当たって、高速バスが立ち往生した。
6時に京都に着いて観光までする予定だったのに、三重で止まったまま12時を過ぎてしまった。
このままだと、有休をとって夜行バスに乗って、また有休で夜行バスに乗るという情けない旅で終わってしまう…
明らかにUSJに行こうとしていた家族連れがいてめちゃくちゃ可哀想だった。
しばらくしてしびれを切らしたのか、バスから出て歩くという人が数人現れた。
ここから1時間位離れたところに駅があるそうで。
12時半の時点で乗務員に再度聞いたら、まだ通行止め解除の見通しが立ってない。もし仮に今すぐ出発できたとしても、到着まで2時間、更に渋滞が2時間発生しているから、最低でも4時間はかかる、と言われた。
やってらんない。
荷物をまとめてバスから飛び降りた。
外は真っ白だった。
サービスエリアの敷地内から徒歩で出たことなんか一度もなかったから、一歩でも出たら猛突進してきた車にはねられて死ぬんじゃないかとか勝手に思ってたけど、裏側に人も通れる一般道があった。
無理そうなら引き返してきてもいいと言われたけど、戻ってきてバスがもしも出発してたら。サービスエリアに一人取り残される自分を想像して、もう後戻りは出来ないと思った。
雪道
誰も歩いていない道の雪は当然積もりっぱなしなので、既に15㎝程厚みがあった。
歩くたびに足が沈んだ。
雪道を歩くとはこうだという認識がまずなかった。
よくよく考えたら、自分は今まで空をチラチラ舞う雪を見て雪が降ってると思い、翌朝小さな雪だるまが作れたら沢山降ったなと思うレベルだった。
現在進行形でドサドサ降り積もっていく雪と対峙したことが人生で一度もなかった。
一定の間隔で傘を振って、上に溜まった雪を落とした。
タイヤの跡がついている場所は雪が解けて道路が見えていたから、その上を歩いた。
でも、タイヤの跡の上ということは、車が通る導線の真上ということで… とっさに車が避けてくれなかったら死ぬ。
車が後ろから向かって来るたびに生きた心地がしなかった。
私はただライブが見たいだけだったのに、なんでこんな命がけのことしてるんだ…
完全に山道。
何度も滑りそうになった。
Google Mapはなんでこの道を行けると思ったんだ。
私は一体何をしてるんだろう。
まじで。
1時間ほど歩いて辿り着いた、The 田舎の駅。
目的地の梅田には3回乗り換えて向かうしかなかった。
名古屋に戻って新幹線を使う手もあったけど、お金かかるし、とにかく一歩でも目的地に近づきたかったからやめた。
意外と電車はスムーズに来た。
安かったバス代が数倍に化けてしまった…
大阪に近づくと嘘みたいに雪が降ってなかった。
ライブに間に合うか心配していたわりに、梅田には4時半くらいに着いた。
と同時に、機材が届かなくて開場が19:30になるという知らせが来た。
今度は帰りのバスに間に合わなくなるんじゃと不安になった。
でも結果的にフォロワさんとゆっくりお茶する時間が戻ってきたので良かった…
かわいいパフェと彼女のオリジナルgirl in redマーチ。
東京のチケットが手に入らなくて迷ったのちに大阪を決断したレベルなので、当然良い整番じゃなかった。後ろから数えた方が早いくらい。
会場に入って待っている時、ふとバス会社から何の連絡もないことを疑問に思った。
嫌な予感がしてメールのごみ箱をチェックしたら、12時の時点で全便キャンセルの知らせが来てた。
…これでもう、帰りのバスに間に合うか心配しなくて済むわ!
見終わったら私どうすんだろ。
スマホ画面を見て呆然としていたら、大歓声が起きて、ライブが始まった。
girl in red
ステージが彼女の色に染まって始まった。
なんだかロンドンで見たショーと別次元に思えた。
私の立っている場所からは、スクリーンの向こう側を見ている気分だった。そことステージとで完全に空気が違った。
前の方の人達は盛り上がっていて良かった。
あーそっか。良い整理番号を取らなきゃ、アーティストを近くで見れる見れない以上に、自分の楽しみ方と同じグループに身を置けない可能性があるんだな…
棒立ちで見るのは自由だし、かといって自分は踊りたいから前に行かせてくれなんて我儘も通用しないし。この場所にいる私は歌ってもいいのか分からなくて不安だった。
でもアーティスト側は絶対に、一緒に大声で歌ってくれるオーディエンスの方が喜ぶということを、実体験をもってして分かってしまってるから尚更辛い。
Marieもいつもより反応の薄いオーディエンスに少し戸惑ってそうに見えた。
…でもそんなのただの私の思い込みか。
最近、感受性が何なのか分からなくなった。私のは結局全部ただの妄想なのかもしれない。そして、そうかどうかわからない時点でもう駄目なのかもしれない。
こんな感じの無意味な自問自答が止まらない。
実際、東京の方が盛り上がってて良いねとは言ってたらしいけど。
でもwe fell in love in octoberやhornylovesickmessのふわふわした曲調だとか、Midnight Loveの憂鬱なメロディーに耳を傾けられるのは、そんなに悪くなかった。
これはこれで、いい意味で海外では味わえない。
海外のオーディエンスは終始合唱団で、ショーに緩急をつけさせないから。
彼女のMCは相変わらずまとまりがなくて、その場で思いついたことを容赦なくバンバンぶつけてきたけど、ロンドンの時より聞き取れてよかった。
日本のオーディエンスはリスペクトフルって聞いてたけどサマソニのYUNGBLUDの動画見てウケたとか言ってた。彼の名前がこんなところで出てくると思わなくて笑った。モノマネもしてて面白かった。
前の方の人たちが小さなレインボーフラッグを振り回していた。
こんなにも赤裸々にレズビアンの恋愛を歌った曲達は、LGBTQA +の彼らにとって存在の肯定そのものなんじゃないかと思う。
アイデンティティという名がつく木の、添木だったり、あるいはその上に降り注ぐ雨だったり。
今回来日公演に行きたかった理由の一つ、ロンドンで何故かやらなかったserotoninを当然のようにやってくれた。
めちゃくちゃ盛り上がった。
それからbad idea!とdead girl in the pool.で高まる会場。
私は音楽的知識はなんもないし、見当違いなこと言ってるかもしれないけど、ベッドルームポップはやっぱり曲が生まれた環境を一括りにした名称でしかなくて、彼女の曲の持つメッセージ性はどちらかと言えばベッドルームパンクだし、ステージ上の彼女はベッドルームロックだ。(もはやベッドルームいるんか?破壊されてないか?)
最後はもちろんクィアの彼女の代名詞的な曲、i wanna be your girlfriendで盛り上がって終わった。
初めてコンデジで写真を撮った。
何の設定も分からずにただシャッターを押しただけなのに、良い感じ。
プロ仕様のカメラは禁止とか言われてるけど、よく考えたらこれ別にプロ仕様じゃないじゃん、と気づいて。
なんで今まで思いつかなかったんだろう。
《セットリスト》
そういえば、ロンドンで見たやつは何も考えずにバンバン動画載せてたな…
海外じゃ動画撮影の規定なんか全くないし、音楽自体ははてなブログに載せて大丈夫だし…
実際K-POPファンの人が海外遠征で動画を撮って上げてるのを見てなるほどと思った。
イスラム圏の友達が酒を飲みに海外に行くと話してた時は笑ったけど、私達も同じような事してるな。
終わってから、予定が何もなくなったので、出会った方達と出待ちをした。
急いでいたから一瞬だったけど、声をかけられてよかった。
翌日の東京は大阪より盛り上がっていたぽくて安心したし、羨ましかった。
今度からちゃんと来日情報つかんで早くチケット取ろう…
午後11時を過ぎようとしている梅田駅で、京都のカプセルホテルを予約した。
阪急線は止まることはないと教えてもらったので。
止まったカプセルホテルは旅行キャンペーンをしていて、3500円の宿泊費なのに謎に2000円の商品券を貰った。
コロナの後の政策か~、完全に他人事に思ってた。
翌日
前日に大阪に行く前にするはずだった京都観光をした。
今のおみくじはQRコードがついてるんだね…
数か国語に翻訳された結果が載ってた。
神社もグローバルなビジネスをする時代。
それから新幹線で帰った。
深夜バスはもう懲り懲りだったから。少なくとも今回はもう。
フジロックもJRの青春18切符で5時間かけて行ってたのに、社会人になってついに「新幹線」という選択肢が目に入ってしまった。お金ないのに。
最近精神的に音楽を聴く余裕が全然なくて、girl in redもライブ前に少し通して聴いてた程度だったけど、ほんとによくないなと思った。多分ライブをちゃんと楽しむ余裕もないんだと思う。
ライブが終わってからGirlsを聴いてて今更泣けてきた。何の飾り気もない歌詞が余計に心に染み込んだ。
「こんなこと感じちゃダメなのにやめらんない。めちゃくちゃ可愛くてしんどい。男子のことじゃないよ、女の子のこと言ってんの」
彼女だったか、Clairoだったか、はたまた違う人のインタビューだったか忘れたけど、ベッドルームポップのことについて、「ふつーのアーティストは、スタジオ予約して、それまでの間に色々準備して、そこで一度に全部レコーディングするでしょ。でも私達は思い浮かんだことをその場ですぐにメロディーにして、そのまま曲を作っちゃう、そんで軽い気持ちでネットにあげれちゃう」みたいな事言ってて、あーそれがこの音楽の魅力なのかーと思った。
ただの呟きだから、隣に腰かけて歌ってくれてるみたいな音楽なんだなあ。
今年のライブ初めはRina Sawayamaで、girl in redを見てAURORAを見た。
パワフルな女性達を沢山見れて嬉しい。