I'm just holding on for tonight.

どこにも行けない呟き

【ライブレポ】SUMMER SONIC 2022 DAY2

DAY1はこちら

 

サマソニDAY2。

 

なんとか7時に起きれた。

というより、お馴染みの中途覚醒の嵐で殆ど寝れなかった。大丈夫か自分。

7時にモニコしてって言い残して寝たら、本当にぴったりにしてくれてびっくりした。日曜の朝7時に。一緒に来てくれなくて薄情だとか思ったことに罪悪感が湧いた。ごめん。

Twitterでおすすめされてた、イベントを乗り越えられるとかいうQ&PコーワGOLDを買っておいたので、藁にも縋る気持ちで飲んだ。

再び昨日の舞台、そして本日の戦地へ

 

客層が明らかに昨日と違って戦慄した。

お洒落な夏フェスギャルから、気合の入ったバンドTシャツのキッズへと。

これはうかうかしてらんないな… 覚悟を決めてスタジアムの中へ。

 

BE:FIRST

アイドルって、顔が良くて踊れて歌も歌えないといけないから、人間としてレベル高すぎじゃないか。

明らかにピラミッドで自分より上の階層にいると思った。ピラミッドじゃ食われるのか。

 

MCがかっこよかった。

うろ覚えだけど、「世界中で様々なことが起こっている今、明日、いや一時間後、いや次の瞬間には、僕達もここにいる皆さんも、全員存在しなくなってしまうかもしれない。そんなことを噛みしめながら、今この瞬間に全力で音楽を届けられたらと思います」といったような言葉。

前日の某ロックバンド達のしょうもなさに陰鬱とした気持ちを抱いていたから、尚更心に響いた。単純だから、なんならもう彼らが日本のアーティストのヘッドライナーでいいじゃんとまで思った。

あと外国人のオーディエンスも考慮してか、英語も喋ってた。

なんだ、日本には、悪ふざけとか失笑とか、そういうので茶化さずに、真剣に英語を喋ろうとするアーティストがいるんじゃない。

ねえ、外国人の日本語の発音を嗤うことは、そういう人達が外国人から嗤われるのを肯定する事になりうるんだよ。なんでそういう事を考えられないんだろ。

 

ファン層がはっきりと分かれるから、最前列を狙うにはこの後しかないと思った。

終わった途端、出口へ向かう群れの中を逆流して突き進んで、柵に飛びついた。やった。取った。取れてしまった。

 

最後にライブを最前で見たのはいつだっけ。2018年のレディングのNothing But Thievesか。違う、2019年のAURORAだ。

でもこんなに長く目当てのアクトを待ち続けるのは人生初かも。

一緒に前を狙っていた友達とは合流できなかったけど、彼女も最前を取れたことが分かって一旦安堵した。

でも、今年になって前触れもなく気を失いそうになったり、通勤中に何度も途中下車したり、自分の体調に全く自信が無くなってたから、このまま彼まで待てるのか物凄く不安だった。

自分の背後に何百という大群が、強固な壁となって押し寄せている事実が恐怖だった。

多分ここ数年で一番緊張した。

 

The Oral Cigarettes

かっこよかった。

あとボーカルが凄いイケメンだった。こんな近くで見れてしまってごめんなさいとか思った。

軽率にヘドバンを煽るので、数年ぶりにめちゃくちゃしてしまった。

MCで、2019年にサマソニThe 1975を見た時、Mattyの事を「あまりに凄すぎて、この人、明日消えてしまうんじゃないか…って怖くなった」と言ってた。めちゃくちゃ分かるじゃん。それに触発されて、自分も彼と同じステージに立つミュージシャンであろうと決意したとか。

終わった後に背後の男性が「すっげー良かった、後であのアーティストチェックしよ…」とテンプレみたいな発言をしてて、心の中で私も同意した。

 

The Struts

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ボーカルLukeは安定のエンターテイナー。

もう、楽しすぎる。彼らの音楽で体が動かない人なんて絶対にいない。踊りまくった。

前回サマソニで彼らとKeshaを見た年に両者がコラボ曲を出して、もっと前に出してくれたら奇跡の共演あったかもじゃん~ と悔しくなった。そんな大好きなBody Talksを、勿論Keshaパートも彼だけど、2曲目に早速やってくれて、テンションぶち上がりだった。

彼のカリスマ性と、それでいて合わせ持つ、どこか安心する温かさ。

お馴染みのQueenのフレディばりのコール&レスポンスで、オーディエンスが一つになった気がした。

彼らがこの日のマリンステージに、最初に火をつけた。

 

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完全に撮影タイムを設けてくれるサービス精神よ…

ドラムのGethinの投げたスティックが私めがけて降ってきて、私の手にぶつかって弾けて、後ろに消えてった。

まあ、投げられた物を掴めるような運動神経は備わっていないので、ダメージゼロ。

 

YUNGBLUD

コロナで潰れた幻の来日公演から2年、ついに待望の初来日を果たした。

2年前にやけくそで書いた疑似ライブレポ

 

彼が大阪でやらかしたせいで、気づいたらセキュリティが2,3人増員されてた。私の目の前にも。完全に警戒されてんじゃん。どうしてくれんだ。

 

そしてYUNGBLUDことDomが、勢いよくステージに飛び込んできた。

のっけからドタバタとステージを駆けずり回って、一瞬にして、ピリピリとした空気を、笑っちゃうくらい完璧にぶち壊した。

よく見たら来た時から血流してるし…

私達の歓声は落ち着く間もなく、皆強引に、彼の音楽に引きずり込まれた。

 

1曲目はstrawberry lipstick

わお、今まで画面の向こうで暴れてた音楽が、手に触れられるところにある。

彼の歌声に合わせて空間が揺れた。亀裂が入って飛び散った。降ってきた破片が全身に突き刺さった。

この感覚だ。恋しかった。私は彼の音楽と一体化してる。ライブ音楽が、遂に私の中まで戻ってきた…!

いきなりお約束のギターのAdamとのキスが見れた。

 

それからThe Funeral

「自分の葬式でダンスしてんのさ」という歌詞よろしく、彼はステージ上で大暴走。

そしてステージの端から降りてきて、突風の如く私の前を走り抜けた時、手には友達が用意した大きな国旗を持っていた。

思わずやったーと歓声を上げた。

 

定番のI Love You, Will You Marry Me

初めて彼のライブ動画を見たのがこの曲だったと思う。

衝撃的だった。なんかもう、暴れ回りたいのに口に磁石が入ってて辛うじてマイクにくっついてるみたいな、そう表現するしかない気がした。

今日も安定して元気に狂ってた。大声で一緒に歌った。もう楽しくて仕方がなかった。

 

初来日に思えないほど、日本のオーディエンスを楽しませようと頑張ってるのを凄く感じて、更に彼が好きになった。

歌詞は無理して歌わせないで、メロディーのシンガロングや掛け声を求めて盛り上げようとしたり。わざわざローマ字で日本語をメモして用意してたり。

ありがとうの発音も綺麗だった。

多分だけど、jumpはjanpuって覚えてたんじゃないかな?「ジャンプウー」って言ってて、初め皆きょとんとしてしまった。かわいいなーもう。

 

それからモッシュピット

彼が何であれほどモッシュピットに執着してたのかさっぱり分からんけど、あの強引さと愛嬌で、ファンじゃないオーディエンスの心をも、がっつりと掴んでしまったに違いない。

 

どんだけ体力あるんだこの人。声の出し方だって、喉に凄いダメージありそうなのに。

初来日にしてマリンステージを選んでくれて良かったと思う。メッセじゃ彼の爆発に耐えきれなかっただろうから。

 

そしてコール&レスポンス

The Strutsのお手本みたいなやつの後に同じことやるんか… 思わず比較してしまうし、めちゃくちゃガサツなそれが、逆にもう愛おしかった。

 

彼と常に行動を共にしているカメラマンのTomも勿論いて、スマホとカメラを手に、彼とオーディエンスを舐めるように動きながら、ステージを駆け回って写真と動画を撮っていた。

彼の仕事を間近で見れて感激した。彼に撮られることを光栄にすら思った。公式のインスタストーリーに一度がっつり映ってた。

絶えず動き回るDomの一瞬一瞬を捉えられる彼もまた、「YUNGBLUD」を作るのに欠かせない存在だと思う。

 

社会問題に訴えかける曲が沢山ありながら、それでいて彼の書く歌詞はなんか、等身大というか、剥き出しで、だからこそ私達のすぐ傍にいるように思える。

parentsの歌詞なんかは、

「父親が男にキスしたら
撃ち殺してやるって言うから
縛り付けて小屋に閉じ込めて、
庭で親友とセックスしてやった

時代遅れな奴ら
両親がいつも正しいなんてことないんだ」

 

彼のライブはLGBTを始めとするマイノリティのコミュニティみたいな存在で、親と一緒に来た子が彼に頼んでステージに乗せてもらい、彼に肩を抱かれながらカミングアウトするなんて事もある。

 

私は昨年のスパソニのAURORAの時のレインボーフラッグを持って行って振ってた。

彼が初来日の、この1時間足らずのショーで、その話題に触れることなんかは全く期待してなかったけど。(というか、終始お祭り騒ぎだった気がする)

ただ最近はもう、自分の全てに自信が無いから分からない。自分がこの旗を振ってていいのか分からない。

私が求めていた「恋人」は、ただどんな話をしても受け入れてくれる、存在を迷惑がられる心配がないという「保証」がある人、それだけに過ぎないから、自分が何なのか分からない。はっきり自覚できている人が羨ましいとすら思う。

 

外国の曲はいくらメッセージ性を持つ歌詞でも、言語の壁があって伝わりにくいから、なかなかその価値観が輸入されてこない。

だから少しでも、そんな曲の歌詞を多くの人に知ってもらえたら… なんて思って翻訳したりとかしてる。

こういうフェスではきっと、多くのオーディエンスにとって、AURORAは「可愛い」、YUNGBLUDは「楽しい」で終わってしまう。それが凄くもどかしい。

それでもレインボーフラッグの意味は流石の日本にも浸透してるだろうから、私がこれを振ってることで、このアーティストはLGBTをサポートしている、これについてメッセージを発信しているアーティストなんだよって、少しでも、誰かに、気づいてもらえたら、という、エゴ…………

 

まるで台風のようなYUNGBLUDのショーは、一瞬にして終わった。

最後にLonerのコーラスでもって、あれだけ暴れさせといた群衆を、これまた強引に一つにまとめ上げてしまった。本当に最強だった。

歌い続けるオーディエンスを残して、彼は入場時と同じように、颯爽とステージを駆けて去っていった。

 

そして私のサマソニも終わった。

 

《セットリスト》

strawberry lipstick 
parents
superdeadfriends
The Funeral
I Love You, Will You Marry Me
fleabag
I Think I'm OKAY
Loner

 

フェスなんかじゃ全然足りなかった。

もっとやってほしい曲が山のようにあった。

改めて、2年前の彼の単独公演を中止させたコロナを恨めしく思った。

 

彼がビデオをあげてた。

面白すぎて永遠に見てしまう。

 

この後も一応見る予定のアーティストはあったけど、ライブでお馴染みの友人達と久々に再会して、一緒にご飯を食べて、盛り上がって、めちゃくちゃ楽しくて、なんかもう、完全に満たされてしまった

やっぱり終わった後に感想や興奮を語り合える人がいるのは嬉しい 。

 

そして私はそのまま、帰った

…いや、突然用事が出来たので。後日談として書くかもしれない。

 

 

翌日、ワンオクのtakaの声出し煽りが炎上して、YUNGBLUDにまで火の粉が降りかかってきてた。

でもなんだか、全てが見当違いに思える。

私が他に見た全ての海外アーティストの言動も鑑みるに、絶対に運営側、海外アーティストに注意勧告してないだろ

いや、サマソニ側に文句なんか決して言わない。

続々と復活してきたこれからの海外アーティストの個々の来日公演でも、運営は彼らに規律を求めないのではないかと思う。

 

海外のライブのアーティストオーディエンスの一体感は、その為にあるのがライブなんだと言わんばかりに凄まじいものがあるし、彼らにとって、オーディエンスが沈黙するライブなんか、想像したこともないくらい、ありえないものなんじゃないか。

先日のBillie Eilishのライブも、静かだねと本人に言われてしまっていた。

 

私自身も、ライブで歓声を禁止するのは、呼吸を止めろと言うくらい、理不尽なことだと思ってる。それを禁止するならライブもまだ禁止していたらいいとすら思う。

世界の反対側から来て、私達を楽しませようと頑張ってくれてるアーティスト達を前にして、我慢出来る出来ないとか以前に、無反応だなんて失礼なこと、私達はするべきじゃないだろ。

 

ライブで上がる声はただの興奮(それだって抑制されうるものじゃないけれど)だけじゃない。

アーティストへの歓迎であるし、RinaのMCで声が上がったように、アーティストのステイトメントへの賛同の証や、リスペクトだったりもする。

 

私はDomに静かなオーディエンスなんて絶対に見せたくなかったし、結果的に彼が日本を好きになってくれて凄く嬉しい。

まあ彼自身は今現在に至るまで、自分がサマソニに投下された最大の爆弾になってた事に多分気づいてないのが、めちゃくちゃ面白いけど。

今回のサマソニは本当に胸がすく思いだったし、昨年のスパソニと比べて何百倍も楽しめた。ありがとうSUMMER SONIC

 

こんな支離滅裂な文章を最後まで読んでくれたのなら、お口直しに素晴らしい文章を読んで、サマソニからの真のメッセージを受け取ってほしい。