I'm just holding on for tonight.

どこにも行けない呟き

【ライブレポ】Nothing But Thieves

さて、何から書き始めたら良いだろう。

私の波乱万丈な夏が終わった。

 

このブログには、彼らの曲の歌詞の翻訳と、ライブレポと、彼らへの想いとを一緒くたに書いているから、歌詞の意味を求めて何気なく訪問した人には、芋づる式に、私がどんな人間なのか全て分かってしまう。

でも今更それらを分けられない。なにせ記事が多すぎる。

ということで、とりあえずもう、Twitterを通して動画を載せるのを辞める。いつでも鍵をかけられるように。

 

今回のライブレポだって、全てが筒抜けになってしまうけど、書かずにはいられないから仕方がない。

 

前書き

オーストラリアのライブレポに書いたように、今年のサマソニは東京と大阪で、2日とも彼らを見ることに決めた。

遂に自分の国で再び彼らのライブを見れる。嬉しい。切望してた単独公演は叶わなかったのが悲しいけど。

 

そんなある日。仕事中に突如、韓国人のフォロワーさんからDMが来た。

「NBTが韓国でライブをしますが、来ますか?チケット取りますよ!」

 

考えるより先に指が動いた

 

返事に1秒とかからなかった。

なんと彼らは、サマソニの2日後に韓国での単独公演をねじ込んできた。

頭の中でその事がぐるぐると回って、他の全ての思考を弾き飛ばした。

 

とにかく、私のこの夏が、凄まじいものになるだろうことを確信した。

 

これも韓国公演のライブレポで書いたように、韓国のチケットは国内先行があるので、前回一般で取った私は3桁台の数字を手にしていた。

今回は、韓国のフォロワーさんが私の分も取ってくれるという。なんて親切なんだろう。彼女達の為のライブなのに。

 

販売時刻は昼の12時だった。そして先行も先着順。一人で何枚でも取れるという仕組みが面白いけど。

私はオフィスでうとうとしていたのに、韓国の方達が必死にインターネットと格闘し、チケットをもぎ取ってくれた。

頭が上がらないどころか、そのまま地中にのめりこんで逆立ちできるレベル。

 

結果、昨年韓国で会った時に私のイラストをConorに渡してくれたフォロワーさんが、私になんと53番を譲ってくれた。

前回自分で取ったのは126番。

この時点で、前回より近くで見れることが確定している。しかも前回より箱が大きいから、横に並ぶ人数も多くなる。かなり前に行けそうだ。

感謝してもし足りない……

 

ただ1つ問題なのが、彼らのライブは水曜日だった。火曜水曜のライブはやめてくれとあれほど… たったの2時間で行ける隣国なのに、有給休暇を3日取らなくてはならない。

翌日の木曜に帰る選択肢もある。でも昼便しかない。せっかく好きになった国だから、少しは街歩きをしたい。

でも金曜までいたら、自ずと土日も勿体なくなってしまって、最終的に5日間の滞在になりそうだ。流石に韓国でそれは長すぎるんじゃないか。

そこで彼らのスケジュールを再確認したら、金曜日の夜にインドネシアのフェスに出るようだった。

 

インドネシア、行くか

 

もうフットワークがヘリウムガスだよ。

 

そして私は今夏、Nothing But Thievesのショーを4回見ることが決まった。

 

 

空港

彼らが来日するだろう日は、丁度お盆休み中だった。じゃあ、またメンバーに会えるかもしれない。邪な考えが脳裏をよぎる。

彼らは1週間前にスロバキアでフェスに出た後、スケジュールに空きがあったから、おそらく一度帰国しているだろうと踏んだ。

でもフェスの前日の来日は流石に選ばないだろう。それなら前々日?その前の日?

保険をかけて2日間空港へ行った。だって、自宅からたったの30分で行ける場所で会えるかもしれないのに、行かないわけにはいかないでしょう。

 

そしてメンバーと再会できた。

彼らのマネージャーの名が書かれたボードを持ったスタッフ達が現れたから確信したのだけど、着陸から1時間経っても入国ゲートから出てこないものだから、メンバーの誰かが違法なことをして入国出来ないのではないかと噂していて面白かった。

そういうこととは全く無縁のバンドですよ、と教えてあげたくなった。

 

スタッフに邪魔をされたくなかったから、彼らが姿を現したらすぐに「オーストラリアで会ったよね!?」と叫んだ。

君のこと覚えているよとJoeの方から言ってくれた。Conorもそう言ってくれた。

 

Conorに大好きな歌詞を書いてもらった。

もう何年もタトゥーにしたかった言葉。

When you let it leave, it can't hurt you
(手放してしまえば、傷つくことはない)

 

彼らがバンドを組んだ初期のころに書いた、私が一番好きな曲、Graveyard Whistlingの歌詞だ。

死を間際にした人間の歌だから、死を共にする言葉に相応しい。

 

悲しすぎるだろうか?

 

私はそうは思わない。

常にネガティブ思考や不安に囚われている私にとっては、救いのような言葉だった。

 

それに10年前の歌詞とはいえ、彼が訴えかける1つのメッセージとしては一環としている。

3rdアルバムMoral PanicのFree If We Want Itは、望めば自由になれると歌い、彼は過去の自分をこの曲に置いてきたんだと言った。

それに彼が、自分の精神状態が酷かった時を振り返って制作した、2022年のソロプロジェクトMan-Made Sunshineの曲、Life's Gonna Kill You (If You Let It)は、まさにその言葉と同じ意味を持っているじゃないか。

だから私は、彼からもらった大切なメッセージを体に刻む。

こんなに幸せなことはない。

 

この時も悩んでたな…

入れようと決意した後も、どのフォントにしようかずっと迷っていた。

でももう、この先一億年悩む必要はなくなりました。

私は彼の筆跡を体に刻みます。

 

 

サマソニ トーキョー

まずはサマソニの話から始めようか。

この時点で、おそらく最終的に10,000字は軽く超える文章が書けそうなので、面倒な人はここでページを閉じてほしい。

 

彼らの最後の来日からはゆうに6年。

とにかくまたすぐに来日してくれるアーティストに戻ってほしかった。

その為にできることなら何でもしたいと思った。

最前列を取れるかもわからないのに、勢いで国旗を買った。せっかくだから、他のファンの方達からメッセージを集めたいと思った。

私は誰かの先導に立って物事を進めるなんてことは人生でしたことがなかったから、本当に本当に、自分という人間にそぐわないことをしていると思った。

 

メンタル面でも向いていなかった。

アデレードEverything Everythingのライブは、800人キャパでも最前列に立っているのが怖かった。NBTのライブは前日の夜から何も食べなかった。

サマソニも確実に同じことになるだろう。

しかも今回は沢山のアーティストが演奏するフェスで、20,000人が入るというステージだ。想像しただけで縮み上がる。

でも自分が始めてしまった事だから、もう後には引けない。

 

開場に着いた

彼らの1つ後のアーティストが直前にキャンセルになって、ポスターが一新されていた。

なんか、2段目に上がっただけでも箔がついた感じしないか?

もうこれ以下には絶対に落とすなよと思いたい。

 

会場でフラッグにメッセージを集めだした。

お会いしたかったフォロワーさんや友達が来てくれた。この時点で、どれだけ心強かったことか。

 

彼らが出演するマウンテンステージは、4つ前のRIIZEが終わったら、面白いくらいに人が捌けていった。

私達はその流れに逆らうように前へ前へと突進し、3列目までいけた。

けれど、最前列にいる人達の服に、彼らの次に演奏するアーティストの名が書かれていた。

嫌な予感がする。

 

私は彼らの為ならばどれだけ自分を犠牲にしても構わないと思っていたけれど、他人に何かを期待することは、何よりも苦手だった。

小さい頃からの経験の後遺症。家の人達がそうやって、お願いしたことを面白がってわざとやってくれなかったりしたから。

 

それでも必死だった。

彼らは6年ぶりの来日であること。次にいつ来てくれるかも分からないこと。だからファンからメッセージを旗に集めたということ。それを柵の前に掛けてメンバー達に見せたいということ。彼らのライブが終わったらすぐにその場を退くということ。

それらを至極謙遜した文章にしたためて、彼女らに渡したら。それらを読まれたあとに、

 

無視された

 

あー。

結局そのアーティストのファンって、そういう人達なんだ。

たった数人のファンの言動で、そのアーティストへの見方が完全に変わってしまうのがとても残念だね。

申し訳ないけれど、私は彼らの音楽を聴くことは2度とないと思う。

そのアーティストはNBTの後に演奏するというのに、彼女達にとって一体何が問題だったんだろう。

 

私はNothing But Thievesの、彼らの名前に傷をつけないファンでいようと心に誓った。

 

この時点で私はボロボロに泣き出して、彼らの前のアーティスト達は全く楽しめなかった。一緒の人達にも心配をかけて本当に申し訳なかった。本当なら彼らのライブで泣きたかった。

それでもNBTの前のMadison Beerが終わって、彼女のファンが退いてくれて、どうにかこうにか最前列が取れた。

1つ、肩から荷が下りるのを感じた。

 

そしてNothing But Thievesの、私が世界で一番大好きなバンドの、6年ぶりの日本でのライブが始まった。

 

夢を見ているのかと思った

やばい、このままじゃ頭に入ってこない。どうしよう。焦る。

 

今までのツアーのセトリがそうだったように、アルバムの世界観を展開させるWelcome To The DCCから始まらなかったのは残念だったけど、Oh No :: He Said What?のキャッチーなシンセと、惜しげもなく披露されたConorのファルセットは、その場の全ての人の心を一気に鷲掴みにしたんじゃないか。

 

その次に演奏されたFutureproofからの、Is Everybody Going Crazy?の大胆なギターリフへの切り替わりには、全身が痺れた。

その瞬間の動画を撮っていなくて一番後悔している。

(Joeを映していたいあまりDomが消えまくってるのも申し訳ないし、そもそもほぼ画面越しに見ていないから、ガタガタで価値のない動画しかない)

 

Conorの「コンニチハー!」で我に返った。

そうだ、私はずっとこれが聞きたかったんだ。

昨年11月の韓国公演で彼が叫んだ「アンニョン!」の代わりになる言葉を、聞く機会は来るのだろうかと、ずっと思っていた。

 

Sorryはやっぱり懐かしい味のする曲だった。

Conorは初めのサビを思いっきり歌わせてきた。友達と一緒に熱唱した。

 

2020年に耳にした瞬間から恋に落ちたImpossibleは、もはや静かに耳を傾けるものではなくなっていた。

彼らのライブはもうただ観るものじゃない。一緒に声を張り上げて、自分の殻を脱ぎ捨てて、彼らの音楽と一つになる瞬間だ

 

とはいえ、Joeの狂ったようなギターの弾きっぷりにはいつだって惹き込まれてしまうし、Domの多才な楽器さばきには感銘を受けずにはいられないし、Conorの感情に身を任せたようなダンスも大好きだった。

日本のステージで踊ってくれてる!嬉しい!

 

あんなにも早いAmsterdamは、数々のアリーナを埋めてきた彼らのライブには、全くもって不釣り合いだった。

Overcomeの爽やかなメロディーはあまりにも切なかった。

彼らのセットは機材トラブルで遅く始まったから、全部で9曲しかやらなかった。

 

一瞬だった

 

それでも、あのステージの、見上げた先にいた5人の姿は、脳裏にちゃんと焼き付いている。

 

東京でのライブは、始まるまでは一人だったら絶対に精神的に耐えられなかった。

沢山の方に支えられて、大好きなアーティストを見ることができた。

本当にありがとうございました。

 

 

サマソニ オーサカ

大阪のサマソニに行くのは初めてだった。

さらに今年は移転して、万博記念公園で行うという。

誰もがあそこは暑すぎると口にしていたし、私も一度夏に行ったことがあったけれど、ただ立っているだけで汗がしたたり落ちたのを覚えていた。

だから身の危険を感じていて、大阪では最前列をはなから諦めていた。

 

…が、ステージに辿り着いたら、なんだか人がスカスカで、どんどん前へと行けてしまう。

2列目に来てしまった。私の前にいる女性は服装からして、Madison目当てだと分かった。

彼女はもちろん終わったら私に場所を譲ってくれると言ってくれた。そのままその隣のファンの方と3人で軽く会話をしながら待った。

 

会話って大事だ!

全身から絶え間なく発信され続けているSOSから意識を逸らせられた。

無言で待ち続けてたら、気を失っていたかもしれない。

それと、最前列を諦めていたことで、朝ごはんを食べていた。もしも何も口にしていなかったら、確実に倒れていたと思う。

いい加減このふざけた精神障害をどうにかしないといけない。

 

タブレットを次から次へと開封した。

熱さまシートを首と太ももに貼り付けて、冷感シートで何度も体を拭いて、顔ではなく、腕の血管の太い箇所にハンディファンをあてていた。

…って、やっぱりこんなことをしないといけないフェスっておかしいよ…

 

そうこうして、なんと大阪でも、最前列で彼らのライブを見れてしまうことになった。

それからバリケード越しに、韓国で知り合った、私の絵をConorに渡してくれて、そして韓国公演のチケットを取ってくれたフォロワーさん達と再会することが出来て、とても嬉しかった。

彼女達が用意していたバナーが面白くて可愛い。

 

しかしながら、本当に暑い。

タイムテーブルが直近になって移動して、彼らのセットは14:30から15:45に移動していたから、少しは涼しくなってるのではと期待していたけれど、それを裏切るかのように、西日がガンガンとステージに浴びせられていて、最悪な舞台が用意されていた。

 

それでも彼らのライブは始まった。

そうなればもう、私には帽子もハンディファンも冷感シートも、何もかも必要が無い。

汗となって水分が流れて消えてカラカラになった身体でも、歌えます!大丈夫!

 

Joeは彼らしくない、めちゃくちゃな服装をしていた。

(外国の友達が彼は寝起きのままステージに出てきたと言っていて爆笑してしまった)

なんだかとにかくメンバーに申し訳なかった。

少し前には夜空に紙吹雪が舞うステージに立ってた彼らには、こんな灼熱のステージは相応しくないよ……

 

大阪は周りに歌ったり叫んでいる人が少なかったなあ。

私は歌っていてだんだん自信がなくなってきた。

あれだな、一緒に歌う人が大勢いると、発音が滅茶苦茶だったり歌詞に自信が無くても、大声を張り上げられるからいいよな…

 

でも東京でやらなかったUnpersonを聴けて良かった。

彼らのアルバムはいつもアップテンポな曲で勢いよく開幕するから大好きだった。

これをあの屋内のマウンテンステージでやったら盛り上がっただろうに。

“I'm just another clone of a clone of a clone...”

 

Conorからセトリを貰いたかったけど、ステージはあまりに遠すぎて、彼は自分のそれを丸めて、ポイっと放り投げてしまった。

あー、駄目だった。と思ったら、隣のファンの人が手に入れていて、それを、私に手渡してくれた。

私が“Give me the setlist”のサインを持っていたからだという。

そんな親切を受けてしまって本当に良かったのか、涙。彼らのファンは本当に良い人しかいない…

 

2018年のレディングフェスぶりの、彼らの2枚目のセトリ。

しわくちゃな感じが逆に良いよね。

Conorの足型もついていた。

 

その後は、親しくさせていただいてるフォロワーさんと合流して、ようやくフェス飯にありつき、Måneskinを遠目に眺め、一緒に、以前ファンアートの展示会を大阪で行った時に、打ち上げでお世話になったパブに顔を出した。

店主さんが私の作品を覚えてくれていて嬉しかった。

 

フォロワーさんとも意気投合して、とても楽しい時間を過ごせた。

今年の過酷なサマソニは、最終的に、最高の締めくくりを迎えた。

 

ただ一つ、重大な責務を残して。

 

 

韓国へ

サマソニの余韻を残したまま、水曜日の韓国公演に向けて、私は火曜日に日本を発った。

台風が近づいていたから、飛行機を早いものに変更して、結局火曜日も会社を休むことになった。

背に腹は代えられない。とにかく、サマソニで渡せなかったフラッグをメンバーに渡さなければいけなかったから。

素敵なメッセージを沢山いただいていた。私が韓国に行けなかったら、元も子もない。

 

午後10時過ぎ。

韓国に着いてネットを繋いだら、Twitterに通知が沢山来ていた。

公式が、サマソニの写真を載せてくれていた。

 

………。

笑ってしまった。

某アカウントを運営する以上、そこでは徹底的に彼らとファンの方の為に働くだけの透明人間でありたいと、思っていた。なのにこれじゃあ、透明人間どころじゃないよ。

 

自分の顔は全く好きではないけれど、あまりにも楽しそうだから、多分一番幸せな瞬間を切り取ってくれたんだろうなあと思った。

このコラージュシリーズも好きだったから嬉しいな。だって、彼ら側のデザイナーが選んで作ってくれたものだから。

インスタではさらに8ページが帯状に繋がっているのが見れて、とても素敵だった。

印刷して飾ろう。

 

それにしても… とっても楽しそうに歌っている私と、それを迷惑そうに見ている某ファン。これは全くの事実なので誹謗中傷に捉えないでほしい。酷く滑稽だ。

彼らに失礼すぎるから、できるならAIで顔を変えたい。

 

翌日、チケット代を両替した後、フォロワーさんに教えてもらった韓国でCDが買えるデパートへ向かった。

私の知っていた、あの身体の芯にまで静かに染みわたるような寒さのソウルは、全く別の街へと姿を変えていた。

 

HOTTRACKS

Broken MachineのCDに、なんと交通カードがついていて笑う。

 

こんなの買わないわけにいかないじゃないか。

 

ライブの前には、昨年彼らのライブで知り合った友達とカフェに行くことになった。

彼女は毎週のように友達とライブに行っている動画をインスタにあげていたから、一度しか会ったことのない私なんかがまた声をかけていいのか迷っていたら、彼女の方から誘ってくれて嬉しかった。

こんなに早く再会できると思わなかった。

彼女と出会わせてくれた彼らの音楽に感謝しかない。

 

日本の外に、私に会ってくれる人がいる

まだ海外に一度も出たことのなかった20歳の私は、これを信じられただろうか。

 

彼女は紙袋を持っていて、私へのプレゼントだと言ってくれた。

私の事を考えて買い物をしてくれてた事実が、すでに尊すぎる…

 

相変わらず彼女の日本語はとても流暢で凄かった。

昨年、会場で出会って間もなく、「日本人とこんなに話すのは初めてです」と言われたことを、まだ覚えている。

私もハングルの勉強を始めたけれど、まだ70%くらい読める程度だった。

しかも「読める」だけだから、その単語の意味までは分からない。

次の訪韓までには少しは喋れるようになりたいと思っていたけれど、あまりにも早すぎたね……

それでもメニューの카페라테が読めて嬉しかった。

 

 

韓国公演

6時頃にサマソニで会ったフォロワーさん達と合流し、チケットをいただいた。

この韓国のライブ用の、オリジナルのチケットが凄く嬉しい。

 

とれたのは前から3列目。

整理番号順で入り、結果的に彼女達と一緒にライブを見ることが出来て嬉しかった。

カフェに一緒に行った友達はなんと4番を手にしていたけど、声をかければ振り向いてくれる距離にいた。

 

それとなんと、今回、初めて完全なDomサイド、Conorの顔がよく見える場所に立った。(アデレードでは狙ったけど駄目だった)

Joeを完全に諦めないといけないので、苦渋の選択ではあるけど。一番良いのは2公演行って両側から見ることですね!

 

韓国での、2度目の彼らのライブが始まった。

やはり韓国のオーディエンスは熱狂的で、Conorと一緒に何でも歌う。

 

彼もすごく喜んでいた。一抹の切なさは否定できなかった。

 

前回とセトリはガラッと変わっていた。

個人的には、前回のDCCから始まり、その勢いのままIs Everybody Going Crazy?へと駆け抜けるあの流れが大好きだったけど、懐かしい曲を沢山聴けたので、何も文句ないです。

 

Particles

はい。

この時点でもう韓国まで来てよかった。

 

Members Only

新譜から地味に好きだった曲。

韓国で聴けて良かった。日本だったらこんな曲、熱唱するのは私くらいで、白い目で見られたかもしれない。

 

City Haunts

この曲がまだセトリに残っていて良かった。

こんなに贅沢にConorのファルセットを味わえる曲はない。

 

気に入ってるIt Feels Like the Endも再び聴けて良かった。

Conorもギターで参加するインタールード。

メルボルンではスクリーン越しに見たそれを、目の前で見れて最高だった。

Conor Mason

マイクに齧り付いて歌声を武器にしている姿も、ギターを掻き鳴らしてる姿も様になるなんて、そんなのずるすぎないか。

 

If I Get High

「上へ、上へと高く昇ったら、また貴方に会える?」

ああ、この曲も聴けるなんて。

彼の歌声を死ぬ瞬間まで聴いていたい。きっと死んだ後も、天国に用意されているかもしれない。

 

翌日がDomの誕生日だったから、みんなでお祝いした。

前回のライブはJoeの誕生日だった。韓国のファンはラッキーだな。

ケーキはやはりファンが用意したものだった。

 

ファンが企画したImpossibleのバナーも、会場側がすでに入り口に置いておいてくれた。

日本のライブハウスだったら、こんなことありえない。韓国のスタッフの寛容さが羨ましい。

 

なぜかアンコールの前にAmsterdamを演奏して消えた彼らは、戻ってきてI'm Not Made by Designをやった。

不意打ちにも程がある。(あまりに不意打ちだったので冒頭が切れている)

私が、彼らの音楽の虜になった2ndアルバムBroken Machineの、2018年の来日公演の、初めの曲だったじゃないか。

不穏なギターの入りに鳥肌が立つ。脳を鷲掴みにされる。体内が搔き乱される。これが、私が愛してやまない彼らの重低音だ。

 

そしてやはりOvercomeで、韓国のライブは、最高の終わりを遂げた。

 

「好き」にどこまでも「好き」を重ねてくるバンド。

もう自分の語彙が追い付かなくなってしまう。恐ろしい。

 

《セットリスト》

 

ポスターを手に入れてしまった。

こんなもの、韓国人じゃない私が手にしてしまって良かったのか。

 

会場は前回より大きくなっていたから、出待ちは諦め半分だった。やはりメンバーは車で去って行ってしまった。

ライブの後は、別のフォロワーさんにご飯を奢ってもらい、なんとホテルまで送ってもらった。

もう、意味が分かりません

韓国で親切にして下さった方々へ、日本へ来た時は全力でもてなしますので、覚悟していて下さい。

 

やっぱり韓国で見る彼らのライブはとても楽しかった。もう絶対に全ての公演を見に行くと思う。

未来の私へ、頑張ってお金貯めてください。

 

 

再び空港

彼らの次のインドネシアのライブは2日後に控えていたから、絶対に翌日に移動することは確信していた。だからこの日に、フラッグを渡そうと思っていた。

せっかくなので、昨年空港でメンバーに会っていたフォロワーさんに声をかけた。彼女はもちろん行くよ!と言ってくれて、一緒に見送りをさせてもらうことになった。

 

ところで。

韓国はどこまでが友達ですか?

私は友達で良いんですか?

日本のフォロワーさんでも迷う。

韓国は日本より年齢による上下関係が厳しいと聞くから、年齢も誰にも聞けていない。

人間関係で、一歩前へ踏み込むのが申し訳なくて怖い。

 

仁川空港は、ハブ空港と呼ばれるだけあって、とても大きかった。

彼らの使用する航空会社の目途はついていたけれど、もう一機、使うかもしれない航空会社が別のターミナルにあった。

機材を運ぶクルー達が先に来るから、彼女達が連携して、彼らが来た方に集まることになった。彼女達の敏腕さにこれまた恐縮してしまう。私は人に助けられてばっかりだ。

 

そして私は、NBTのメンバーとまた再会を果たした。

もう完全に認知されている。

嬉しい、けれど後から怖くもなった。

 

Joeに無事フラッグを渡せた。

前日のライブがあまりにも楽しかったものだから、卑屈な私は写真を撮った後に、彼に「ごめんね、君たちは韓国が大好きなのに」と謝ってしまった。

それでも彼は、「日本も愛してるし、次に行くときは単独公演をしたいよ!」と言ってくれた。


フォロワーさん達は次々と彼らのレコードやセトリを取り出してサインを貰っていて、フラッグの事しか考えてなかった私も、慌てて自分のイラストを取り出して、サインを貰った。

Priceが良いね!と褒めてくれた。そうなんだよ、彼は本当に良い奴なんだよな…

前回も私のイラストをSNSで見たよ!と彼女達に言ってくれていた。

 

喋る時間もたっぷりあったから、Conorに貰った歌詞がなぜ自分にとって大事なものなのかも伝えらえた。彼は「君は大丈夫だよ」と言ってハグをしてくれた。

メンバー達に大阪のステージの最悪さも謝った。Philはどれだけ大変だったか、身振り手振りを加えて語ってくれた。

凄い、推しとちゃんと会話が出来ている!今回はかなり英語を頑張れたと思う。

 

それにしても、韓国のスタッフは本当に寛容だな… テーブルまで用意してくれて、そこではもう、完璧なサイン会が開催されていた。

日本の空港では、スタッフにメンバー5人との写真を撮ってもらおうとしたけれど、そういうことは出来ませんと、にべもなく断られてしまっていた。

 

ファン達と十分に交流をした後、彼らは出国ゲートへと去っていった。

 

これで遂に、全ての重圧から解放された。

何億通りも頭の中で用意していた「失敗に終わる展開」が、砂塵となって消えていくのを感じた。そんなものは、初めからきっと必要なかったんだと思う。

 

フォロワーさん達とも空港で別れた。とても切なかった。

彼女達と再会する為にも、またNBTに韓国に早く来てほしいとすら思った。

 

私も翌朝、韓国を去る。私の、今年最後の彼らのショーを見る為に。

 

 

Lalala fest

ジャカルタ空港を出たら、そこは東南アジアだった。

当たり前だけど。一気に昨年旅したベトナムカンボジアの空気を感じた。

 

本当は、韓国を日付が変わった後に発って、インドネシアに朝に着く飛行機に乗る予定だったものの、20日に韓国に着いた途端に、「君のジャカルタへの便が23日から24日に変更になったからよろしく!」という通知が来て、すべてが白紙に戻った。

フェス、23日なんだけど。24日に行って一体何をしろと。

マレーシア航空、二度と予約しない。

別の、当日午後4時に着陸する飛行機を取り直す羽目になった。

そのせいで観光も何もできない。ホテルについたら、タクシーに乗ってフェスに直行した。

 

海外旅行って、初めは倹約できるところはしたいと意気込むものの、段々計画が崩れていってどうでもよくなってくるよね。

いつもは一応帰ってからレシートをチェックしてるけど、今回は全てが杜撰すぎて何もしたくない。

それとタクシーを利用した途端、クレジットカードが不正利用を疑ってロックがかかって面白かった。そりゃいきなりインドネシアで使われるなんて想像できなかっただろうな。

 

日が沈む頃、フェスの会場に到着した。

フェスは午後5時から始まり、NBTは9時からの出演だったから救われた。

サマソニもそれくらいにしたらいいよ… もう東南アジア並みに暑いんだからさ…

 

ステージについたら秒で友達が出来た。

彼らの物販のトートバッグを持っていたから、「君、NBT目当てだよね?」と声をかけてもらって、すぐにグループが出来た。

フォロワーさんとも無事合流できた。

タイから見に来てる子もいた。

彼らの音楽が、私に沢山の出会いをもたらしてくれる。

 

VIPじゃなくて一般のチケットを取ったから、ステージからは離れていた。

でもメルボルンで見た時に書いたように、私は彼らのライブはどこから見てももう楽しめると思った。とはいえ、ちゃんとメンバーが目に入る場所に限るけど。

逆に5人がしっかり視界に収まって、これはこれでいいかもしれない。

結局一般の区画の最前列を取れてしまったので、確実に彼らに認識されてただろうな… すみません。

 

NBTは、インドネシアではこれが初めてのライブだった。

 

隣の男の子が、「Sorryを歌うんだ!だって長い間待っていたんだから」と言っていた。

“I've waited for this
I'm ready for it
I've waited for this
I'm ready for it
I've been waiting so long”

インドネシア人の彼にこんなにもぴったりな曲はなかった。

 

サマソニより5分長いセットだったはずだけど、結局何分やったんだろう… 

日本でやらなかったJamをやっていて羨ましかった。

 

日本でも絶対やると確信していたものの、セトリから抜け落ちていたTrip Switchが復活していた。

…が、Conorが冒頭から歌詞を度忘れしていて可笑しかった。

 

そして再びI'm Not Made By Designを演奏していた。

そんなのありかよ、日本でもやってくれよ…

 

インドネシアのオーディエンスは韓国と同じように熱狂的で、そして長年彼らのライブを待望していた、その感情をぶちまけるかのような、別の情熱も感じた。

その日に出来た、バックグラウンドも何も知らない友達と、大勢で一つになって、互いが大好きな、同じ歌を熱唱した。こんなにも最高な瞬間はなかった。

インドネシアの盛り上がりを見るに、フェスだけでなく、次のアルバムではちゃんとアジアツアーをやってほしいなと思った。

 

私の10回目の、Nothing But Thievesのショーが終わった。

 

昨年韓国へ行くことを決意し、勢いでオーストラリアまで飛んで、サマソニも2日間制覇し、再び韓国へ戻り、そして最後にインドネシア

私の、彼らの4thアルバムDead Club Cityの物語はここで終わる。切ない。でもこれが本当の終わりになると思う。  

 

 

再々の空港

彼らは2日後に、今度はサマソニ バンコクに出演する。

だから。乗る飛行機はもう。簡単に想像つくじゃないか。

彼らにまた会える。

でももう邪魔はしたくない。

でももう次にいつ会えるかもわからない。

でも… でも…

葛藤で涙が出た。

 

翌朝、自然と足は空港へ向かっていた。

 

韓国の時と違って、彼らは機材のクルー達と一緒に表れて、なんだか慌ただしそうだった。余計に申し訳なくなった。

Conorに、邪魔はしたくなかったけど、次にいつ君達のショーを見れるかわからないから、最後に声をかけたかったと、泣きながら伝えたら、またすぐに会えるよと、最後のハグをもらった。

 

もう私は彼を「君」つけなんかで呼べない。

彼は立派な人格者で、私の事を気遣ってくれて、なによりステージ上で私が見上げる憧れの存在だった。

彼からもらった音楽だけで私は十分だった。

この世界のどこかで彼が幸せでいてくれたら、それで良かったはずだった。

こんなに近づいてはいけないと悟った。

 

それでも、沢山対話をしてくれて、私と向き合ってくれて本当にありがとう。

またいつか会える時は、そんなことが訪れる時は、その時はそっと声をかけさせてほしい。

その時までに、私の事を忘れてしまっていても構わない。

 

 

帰国

サマソニの彼らのライブの感想をエゴサしていたら、なんだか色々な方の心に刺さったみたいで嬉しかった。

私はどんなに自分に自信がなくたって、彼らが最高のバンドであることだけは、それだけは、確信していたから。

 

 

部屋はまだ、頂いたものや買ったお土産でごちゃごちゃしているけれど、7月から部屋に置いてあったフラッグが、もうない。

これはもう、紛れもない事実だ。

有言実行を何度も挫折してきた、不安障害持ちの、自分に何の自信もない私が、人前で、これだけのことが出来た。

これは運だけで手に入れたものじゃない。行動力でだ。

そして沢山の人との繋がりで成しえたものだった。

 

今は感謝の気持ちでいっぱいです。

サマソニから始まったこの一週間、出会ってくださった全ての方へ、本当にありがとうございました。

 

私に1つ誇れることがあるとするならば、彼らのファンでいること。

私がしたことが、ただのエゴじゃなくて、彼らの次の来日に繋がることを祈らずにいられない。