I'm just holding on for tonight.

どこにも行けない呟き

【ライブレポ】Rina Sawayama

イギリスで話題の日本人アーティスト⸻

そんな風に彼女の名前を知った時、正直あまり聴きたいと思わなかった。

 

もうずっと前の話だけど、着物姿でヨーロッパの街を練り歩いて、現地の人に沢山写真を撮ってもらって、「海外でアーティストとして成功した!」と言っていた日本人のことを思い出した。

その人を否定するつもりはないけれど、私達は日本文化という枠の中を通らないと、この場所から世界に出ていくことはできないのかなと、切ない気持ちになった。

寿司とかラーメンとかアニメとかゲームとか、そういうステッカーを自分に貼り付けてないと、認めてもらえないような気がした。

だから今回もそう、どうせそういう感じなんでしょ?と思ってた。

 

でも彼女は違った。

は?私たち別にそんなんじゃないからw

と一笑に付すような人だった。

 

金曜日の仕事終わり。

東京ガーデンシアター

田舎暮らし東京勤務の私の利点は休みを取らなくても仕事終わりにライブに行けることくらいなのに、この辺りはそれでも1時間弱かかる…

 

昨年のサマソニの前に3A会員になったから、それを利用したらなんと2列目の席が取れてしまった。8000人キャパの2列目よ。

今年初めのライブからこんな運を使ってしまうなんて… 今思えばコロナで行けなかったアクモンでバランスが取れたのかもしれない。

 

Rina Sawayama

ステージに登場した彼女の、存在感。

モデルの仕事をしてたくらいだからスタイルがいいのは知ってたけど、なんだかもう既に「大物アーティスト」の雰囲気を身にまとっていて、こんなにも近くで見てしまっていいのかと困惑した。

 

Catch Me In The Air

たしか港のようなイメージでプロデュースしてもらったという、お母さんに向けた曲。

こんな感じのポップアーティストを見るのは初めてだったから、よくあるものなのか分からないけれど、彼女の足元にファンが置いてあって、そこから風が吹き出していた。

その風があたかも、彼女が船首に立って、海風を全身に受けながら自由を謳歌しているみたいな、そんな錯覚を起こした。

とても清々しい曲だった。

 

そういえば衣装チェンジのあるコンサートも初めてだ。なんか贅沢な気分。

どんな衣装も様になっていて本当にかっこよかった。

 

STFU!

私が初めて聴いた彼女の曲。

彼女が受けた人種差別、マイクロアグレッションを歌った曲。

ポップなメロディーを想像してYoutubeのサムネを開いたから、激しい音が飛び出してきてびっくりした。

この歌詞にゴリゴリのメタルを選ぶセンス…

彼女の音楽性を知った、きっかけの曲。楽しみにしてた。

長い髪をためらうことなくブンブン振り回しながらヘドバンしてて、かっこよすぎた。

あと対照的なメロディーのサビのダンスが、これまた完全にスイッチが切り替わったみたいにめちゃくちゃ可愛くて、面白かった。

「君のおっきなお口にテープを貼りたいとか思ったことある? 私はあるよ♪ 何度も♪ 何度も♪」

曲のジャンルの幅が広いけど、それに合わせて一曲一曲、ちゃんとその世界観をステージ上で作り上げてたのが凄い…

 

ダンサーやバンドメンバーは全員女性で、そこからも彼女の持つ信念をなんとなく感じた。

日本語で社会的なメッセージを発してくれる稀有な存在でもあるし、もっともっと日本で有名になってほしいなと思う。

 

椅子に腰かけて始まったChosen Family

バラード系の声の深みと伸びも良いなあ…

ギターの女性も終始ニコニコしてて、彼女のバンドメンバーとの信頼関係を物語っていた。

 

そして会場を沸かせた某邦楽のカバー

私は邦楽を知らなすぎるので、あの曲くらいしか分からないな…と思っていたらその曲だった。私にも最低限の教養はあってよかった。

 

新たなアンセムThis Hellで最高に盛り上がってショーは終わった。

この一年をこんなにパワフルな女性のライブでスタート出来て光栄だった。

 

特に何のまとまりもないけど、文章を書こうとすると感想じゃなくて文章を書こうとしてしまうから止める。

もはや何の為に書いてるのかもわからないけど、プラスの感情は書き記しておかないと消滅してしまいそうで怖い。

 

昨年末のまとめ記事は、直接感想を書いてるライブと個別に記事を作ったライブと、ごちゃ混ぜにしてて読みにくかったから、大して中身がなくても短くても、どのライブも1つ1つ記事を書くことにした。

…多分。AURORAまだ書いてないけど。

次に見るライブも何一つ書ける自信ないけど。多分書かないかもしれないけど。