今年は初めから沢山ライブが見れそうなので、一つ一つの瞬間を忘れてしまわないようにレポを追加方式にでもしようと思いきや、ゆうに千字を超えてしまったのでこのまま記事にする。
年々文章量が増えていく…
彼女達を初めて見たのは2年前のレディングフェスだった。
見たいバンドの前に時間があって、さてどうしようかと周囲をぐるっと見渡した時に、遠目に見えたのがあの大きくて真っ赤なメインステージで。惹かれるように近くへ行ってみると、パワフルな女性3人がステージに立っていた。
心を鷲掴みにしていつまでも離れていかない一瞬というのは、人生で数少ないけれど確かにあって、彼女達のショーはまさにそれだった。
あの彼女達をもう一度見れる、そんな思いで来日公演のチケットを購入。当日は定時退社でダッシュ。
私は焦ると本当にろくな事をしないと思った。ロッカーに荷物を詰め込んでさあ会場へと思いきや、ポケットに入れたはずのチケットが無い。どこにも無い。慌ててロッカーを開けて荷物を床にぶちまけて探すと、当然のように鞄の中に鎮座していた。
会場に滑り込んだ瞬間に照明が暗くなり、ライブがスタート。その差30秒も無かった気がする。
そしてあの時と同じように、かっこいい3人の女性が姿を現した。
メンバーは若干違えどスタイルは変わらず。楽しみにしていたLydiaの衣装はやっぱりカラフルで、メイクもとてもキラキラしていて素敵だった。
オーディエンスをリードしていくギターボーカルとしては、彼女は私が今まで見てきたバンドの首位を争えるくらいで、ガールズバンドなんてカテゴリーは作らせねえと言わんばかり。その余裕っぷりに再び惚れた。
Seashoreのかっこいい歌詞も彼女達に惚れた理由の一つだった。
「私は他の何者でもないんだ
だからさっさと消え失せな
馬鹿なことだって沢山するだろうけど
あんたの方が強いなんて思わせないから」
3曲目にして早くも彼女は、モーセばりにさっとオーディエンスを左右に分割。一瞬にしてダンスホールを出現させた。レディングで彼女が作ったモッシュピットを思い出した。無我夢中で飛び込んで踊った。
(調べたらWall Of Deathという名前らしい。笑った。中央にいたから必然的に最前列にされたけど、客層と面積的に名前ほど過激にならなかった。安堵)
サビの3人のコーラスも最高だった。コーラスが最高なバンドが大好き。
まるでどの曲も踊る為に作られたかのよう。Pumpkinの気怠いメロディーに身を任せたり、More Than A Monthでひたすら飛び跳ねたり。
照明もカラフルで彼女達のステージにぴったりだった。最高にかっこいいのに、なんだか心地よくて。彼女達がここに来たというより、彼女達のパーティーに招待されたみたいな気分だった。
ギターのGenessaはLydiaとはまた別の魅力を持つ人で、時々一人で謎のダンスをしていてめちゃくちゃ可愛かった。と思いきや、髪を振り乱しながら全身で圧巻のギターソロを披露、その後にニコッと笑って、多分オーディエンスの1/3は彼女に殺されたと思う。
ひとしきり踊りまくって幸せは最高潮、あっという間にライブはアンコールに突入してしまった。
戻ってきた4人に再び沸き立つオーディエンスに向かって、Lydiaが「boysは後ろに下がって!girlsを前に入れてあげて!」と鶴の一声。途端に後ろからブワッときた圧に一気に押され、辿り着いた先はまさかの最前列。
目の前にはLydiaとGenessaが立っていた。そんな、そんな事が起こっていいのか。
Poor Boyと共に、最後の一瞬まで狂ったように踊った。
そして終演と共に、Genessaが自身のセトリを丸めてポイッと。
ああ投げちゃうのか〜残念、と思いきや、沢山の手の波を流れ伝って落ちてきたセトリを何故か自分の両手がキャッチ。は?
訳がわからないまま去り際のGenessaに必死で「Thank You!」と叫ぶと、彼女が私を見てニコッと笑って、それから去っていった。
かくして、光の速さでThe Regrettesのライブは終わった。
《セットリスト》
なんだこれ。
こんな奇跡と奇跡の欄に全部チェックを入れたみたいなライブ初めて。
アーティストが投げたものをキャッチ出来たことなんて初めてだった。いつもはなから諦めてるから。
2020年、幸先の良いスタートなのか、あるいは既に全ての運を使ってしまったのか。
今年全てのライブレポをまとめる時には答えが出ているでしょう。
追記(2020年末): いやあ、まさか世界がこんなことになるとは思わなかったよね。結果は後者、既に運を全て使ってしまったようで、これが2020年に見た最初で最後のライブとなりました。悲しい。