I'm just holding on for tonight.

どこにも行けない呟き

【和訳】Rose Colored Boy / Paramore

Paramoreを聴き始めた当初はそれこそ可愛いエモガールという印象しかなかったボーカルHayleyだけど、意外と彼女の書く歌詞は地に足がしっかりと付いていて、聞いていてハッとさせられることが多い。

念願叶って今年ライブを見に行った時も、そこには可愛いなんて生易しい言葉で形容できない、パワフルでとてもかっこいい一人の女性がいて、すごく圧倒されてしまった。

そんなParamoreの最新アルバムから歌詞が気に入っているこの曲を。

Rose Colored Boy

Low-key, no pressure, just hang with me and my weather
Low-key, no pressure, just hang with me and my weather
やる気ない プレッシャーもない 私の気分に付き合って

Rose-colored boy
I hear you making all that noise
About the world you want to see
And oh, I'm so annoyed
'Cause I just killed off what was left of the optimist in me
バラ色の少年
あんたがお望み通りの世界を語って聞かせてるのが聞こえる
ああうざい
だって私はたった今、私の中の最後のポジティブを殺しちゃったとこだから 

Hearts are breaking, the wars are raging on
And I have taken my glasses off
You got me nervous
I'm right at the end of my rope
A half empty girl
Don't make me laugh, I'll choke
心は砕けて 戦いは激しさを増してる
だから私はメガネを外しちゃった
あんたは私を神経質にさせる
私はもうロープの端っこに立たされてる
ネガティブ思考の持ち主
笑わせないでよ 窒息しちゃうから 

Just let me cry a little bit longer
I ain't gon' smile if I don't want to
Hey man, we all can't be like you
I wish we were all rose-colored too
My rose-colored boy
ただもうちょっとだけ泣かせて
私は笑いたくない時には笑わない
ねえ みんながあんたみたいになれる訳じゃないの
みんな頭がお花畑だったらいいのに
あんたみたいに 

Low-key, no pressure, just hang with me and my weather
やる気ない プレッシャーもない 私の気分に付き合って 

I want you to stop insisting that I'm not a lost cause
'Cause I've been through a lot
Really all I've got is just to stay pissed off
If it's all right by you
私は大丈夫だなんて言ってこないで
だって私は沢山のことを乗り越えて
結局怒ってるだけなの
あんたが構わないなら 

But hearts are breaking, the wars are raging on
And I have taken my glasses off
You got me nervous
And you're turning it into a joke
A half empty girl
Don't make me laugh, I'll
でも心は砕けて 戦いは激しさを増してる
だから私はメガネを外しちゃった
あんたは私を神経質にさせる
それから下らないジョークにしてしまう
ネガティブ思考の持ち主
笑わせないでよ じゃないと… 

Just let me cry a little bit longer
I ain't gon' smile if I don't want to
Hey, man, we all can't be like you
I wish we were all rose-colored too
My rose-colored boy
ただもうちょっとだけ泣かせて
私は笑いたくない時には笑わない
ねえ みんながあんたみたいになれる訳じゃないの
みんな頭がお花畑だったらいいのに
あんたみたいに 

Leave me here a little bit longer
I think I wanna stay in the car
I don't want anybody seeing me cry now
You say "We gotta look on the bright side"
I say "Well maybe if you wanna go blind"
You say my eyes are getting too dark now
But boy, you ain't ever seen my mind
もうちょっとここに放っておいて
車の中にいたい
誰にも泣き顔を見せたくないから
物事の明るい面を見なきゃ なんて言うから
そんじゃ失明したけりゃね って私は返す
私の瞳は暗すぎるんだ って言う
でもさ、私の心の中を見たことなんてないでしょ

Just let me cry a little bit longer
I ain't gon' smile if I don't want to
Hey, man, we all can't be like you
I wish we were all rose-colored too
My rose-colored boy
Just let me cry a little bit longer
I ain't gon' smile if I don't want to
I know we all can't be like you
I wish we were all rose-colored too
My rose-colored boy
ただもうちょっとだけ泣かせて
私は笑いたくない時には笑わない
ねえ みんながあんたみたいになれる訳じゃないの
みんな頭がお花畑だったらいいのに
あんたみたいに

Low-key, no pressure, just hang with me and my weather
Low-key, no pressure, just hang with me and my weather
やる気ない プレッシャーもない 私の気分に付き合って

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MVはわりと良くある展開だけど、TVの顔であるニュースキャスターHayleyが、どんな時でも笑顔を見せようと頑張りすぎて内面から壊れてしまうという感じの内容。

 

この前TV番組で披露した時には、公式が曲にこめられた意味や想いをツイートしていた。

(この曲は、世の中や自分に絶望してる時でもとにかく楽観視しようというプレッシャーを感じてしまうことについて歌ってる。社会はHappyでいなきゃ、Happyな姿を見せなきゃっていうプレッシャーでいっぱいで、自分がHappyでないと情けなく感じてしまう)

(悲しみに情けなさを加えると、とても有毒なカクテルになる。社会的な期待が加わらなくたって、悲しみや鬱、どんな不安だって向き合うのは大変なこと。何もかもバラ色に塗り潰そうとするより、共感してくれる人に会う方がもっと大切だし癒しになる)

(この歌詞によって誰かの孤独感を減らせたらと思う)

 

「私は笑いたくないときには笑わない!」

そう宣言したこの歌はすごいと思う。だって、世の中には辛い時でも前を向いて笑顔で頑張れなんて言う歌が腐るほどあるから。

笑わなくていいんだ。

無理して笑わなくても。

 

またHayleyは最近メンタルヘルスについてのエッセイも公開していた。自身の経験したスランプや鬱について。彼女は数年前には自殺を考えていたほどだった。

www.papermag.com

日本語訳が殆ど存在しないから、少しだけ訳を。何かの作り手として、すごく共感してしまった一節。 

"What am I freaking out about? People will see it, they might even read it, and if I'm lucky they'll get something from it. No. If I'm honest, in my head, it's more like this: People will see it, they might even read it, and if they don't get anything from it then maybe it's a reflection of my worth"

(私は何を恐れてるの?人々は私の書いた歌詞を見るじゃない、ひょっとしたらちゃんと読むじゃない、そんで私がラッキーだったら、彼らはそこから何かを得るじゃない!

…違うの。正直頭の中はこんな感じ。人々は私の書いた歌詞を見るし、ちゃんと読むかもしれない、そんでそこから何も得るものがなかったら…… それが私自身の「価値」ってこと)

私も自分自身の価値に自分の生み出した作品を重ねている。それくらいしか取り柄がないと思っているから。でもその比重が大きすぎると、何も作れなくなった時に、一瞬にして自分の全てが崩れていく。内側から。作品を人前に公表し評価を受けることは、常にその恐怖との隣り合わせだったりする。

だけど同じような気持ちを、グラミー賞を手にした彼女が持っているとは思わなかった。

 

それでも歌を書くことは最終的に彼女の救いになった。彼女の気持ちを正直にぶつけられたから。 それがこの曲の収録された5thアルバムAfter Laughter(笑ったあと)、人が大笑いしたあとの、現実に引き戻されていく表情のことらしい。

彼女はエッセイの最後をこんなアドバイスで締めくくっている。

"Expression is survival. You can do it however you please. Write, draw, create something with your hands. Tell somebody you love them. Take a drive, roll down your windows and yell something like, "MY LIFE IS SO SHIT RIGHT NOW!" Or, "WHAT DO YOU KNOW? I'M ACTUALLY FINE TODAY!" These are just things to try if the crying and dancing doesn't work. And so you can't say that my essay didn't help a little bit... and then I won't tell myself I'm worthless"

(表現は救いになる。どんな風にでも好きにやればいい、書いて、描いて、あなたの手で何かを作って。誰かに愛してると伝えて。ドライブして、車の窓を開けてこんな感じに叫ぶの、私の人生超最悪!とか、御機嫌よう、今日の私は絶好調!とか。

まあそれが泣いたりダンスしたりが効かなかったときの私のおすすめ。そんなわけで、私のエッセイが全然役に立たなかったとか言わないでよね、そしたら私は自分に価値がないなんて言わなくて済むから!)