I'm just holding on for tonight.

どこにも行けない呟き

バレるのが怖かった

もう一つのブログを消すことにしたので、ファンアートの記事をこちらに移した。

 

でも正直もう、どれも見たくなかった。

苦痛だった。

いつもそう。過去に自分が作った物は、文章なりアートなり、時間が経つにつれて振り返るのが辛くなる。

絶対に下手クソに思えるに決まってるから。

 

でもそれだけが理由じゃない。

沢山の人に見られたものほど振り返るのが怖い。

大勢の目に触れて、他人に自分がこんな下手クソなものを作る人間として認識されていた事実と直面することが耐えられないから。

死ぬほどめんどくさい奴だな。

 

子供の頃、学校の発行物だとか、掲示物だとかの絵をいつも任されてた。

「絵が上手い子」にされてたから。

要するに都合よく使われてたことは当時の自分にも分かってたけど、一度承諾したらもう断れなくなった。人の役に立つことを自己肯定感の拠り所にしてた。そんなグラグラな柱に必死にしがみついてた。

作った物が教員の期待外れだった時は、相手の一瞬の表情だけですぐ分かった。下手クソなものを作ってしまった情けなさでいっぱいになって、落ち込んだ。

「上手いから描いてよ」

最早その言葉が怖くなった。

 

人前に飾られた自分の作品は、何度も何度も確認する癖ができた。一種の強迫観念に近かった。

それがまだちゃんとしているか。

「まとも」に見えるか。

気付いたら真っ黒になっていないか。

気が気じゃなかった。下手クソに見えないか、下手クソな物を見られてはいないか、恐怖で堪らなかった。

何度も欠かさずに見続けていたら、1が瞬時に0に変わってることは無いだろうと考えた。馬鹿な自分。

毎日、目の前を通る度に立ち止まって眺めて、確認した。

クラスメイトに自分の作品に見惚れてんのかよと言われた。

そういう発想になれることがただただ羨ましかった。完全に正反対の思考なのに。

 

私に貼られてたレッテルはもう一枚あった。

先日もなんか書いたけど、中学に入学して2回目の試験で学年トップを取ってしまったから、私はそこで「頭の良い子」になってしまった。

点数が下がる度に自分の価値も下がる気がした。「あなたはそんな人じゃない」と言われ続けた。

あと入学直後の最初の授業中に、教師に自分の兄が進学校に合格したことを話された。クラスメイト全員の前で。

あれは一体何だったんだろ。

兄は外面の良いモラハラ人間で、教員に好かれてた。私が入学した年には卒業してたのに、教員はいつも兄の話をしてた。

だから私も、入学直後から周りに「進学校に行く人間」だと思われた。

そのイメージを崩さない為だけに3年間生きてた。私は周囲の人間が作った「私」に収まる為に必死だった。

高校に入ってそのレッテルが無くなって、自分のアイデンティティだったものが無くなったから、空っぽになった。より一層生き辛かった。

 

以前心理学で、子供に「頭が良いね」と才能を褒めると挑戦をしなくなり、「頑張ったね」と努力を褒めると自信を持つようになるとかいう文を読んだ。

記事見つけた。

最初のテストを終えてから、生徒たちには難易度の高いテストか低いテストを受ける選択肢が与えられた。知能をほめられた生徒たちのまるまる3分の2が簡単な課題を選んだ。むずかしいテストで失敗する可能性を負って「頭が良い」レッテルを失う危険をおかしたくなかったのだ。

「子どもの知性をほめることは意欲をそこない、成績をそこなう」

 

目から鱗がポロポロ落ちた。

私は小さい頃からずっと「絵が上手い子」で、「頭が良い子」で、だからずっと、本当は絵が下手クソなことが人にバレるのが怖かった本当は頭が悪いことが人にバレるのが怖かった

その恐怖と恥との答え合わせが出来た。

自分はおかしくなかったんだと思えた。今更もう遅いけど。

 

失礼なのは分かってるけど、稚拙な作品を嬉しそうに披露している人を見ると、凄く羨ましくなる。きっと自分のした努力を沢山褒めてもらって育ったんだろうなあと、そこまで考えてしまう。

その自己肯定感が羨ましい。

欲しい。喉から手が出るほど欲しい。

 

 

最近Rina Sawayamaをよく聴いてる。

彼女も自身の経験からなるネガティブな感情を曲に書いていて、カタルシスの一つみたいなものだとも言ってる。格好いいなと思う。

 

STFU!の歌詞。

“Have you ever thought about taping your big mouth shut?
'Cause I have, many times, many times”

(あんたのその馬鹿でかい口にテープ貼りたいとか思ったことある?
私は何度もあるよ 何度も)

 

黙れよクソ野郎

黙れよクソ野郎

黙れよクソ野郎

 

私もこういう感情をアートに昇華できたらよかったけど、する術がないなあ。