I'm just holding on for tonight.

どこにも行けない呟き

【Fall Out Boy】infinity on high ルーム①

Fall Out Boyの代表作とも言える3rdアルバムinfinity on high。そのジャケ画の部屋を「1/12スケールのドールハウスで再現したい!」という執念と、その記録。

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ちなみにFOB公式にInstagramで紹介していただいた。公式公認。やっほい。

www.instagram.com

 

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初めて見た時からすごく惹かれて、いつか作りたいと思っていたこの部屋。

Pete曰く「薄気味悪さをあわせ持つ夢の中」がコンセプトだった記憶が。ゴッホのあの有名な絵画The Starry Nightからも着想を得ている。

 

2013年、てっきり解散したものだと思っていた彼らが奇跡の活動再開。それから新譜発売で、てんやわんやと世界中が沸いてた中、私はというと、大学受験の失敗でどん底にいた。

受験勉強の為に彼らの2回の来日ライブを断念し、自分の生きている意味が見出せなくなったところで、なぜか「そうだ、あの部屋を作ろう!」と勉強を放棄、いきなり制作開始。

 

1. メンバーの身長を調べる

ブックレットの数ページに点在する家具や部屋のサイズを把握する為に使えそうだったから。確かボーカルPatrickの身長が164cm。私と全く一緒。彼らの身長を参考に設計図を描き、方眼紙で立体模型を製作。

ちなみになぜ1/12スケールなのかというと、ドールハウスの基準に則ったもの。1フィートを1インチに換算して作る伝統的な基準。国内外を問わず今活動しているミニチュア作家のほとんどは1/12スケールで制作している。

 

2. 立体模型に則って骨組作り〜板張り

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この方法は昔他の作家さんが紹介されていたものを参考にしている。ちょうど本物の家を作るみたいな感覚で、メリット

  • 木材の縦横が組み合わさる為、湿気などの反りに強い。
  • 電飾の配線などが間に隠せる。
  • 窓や扉の部分をくり抜く作業がない。
  • そしてカッターナイフ一本で作れる。そう、このドールハウスは特に特殊な工具とかは使ってない、普通のカッターナイフとボンドで全部作ってます。みんなもLet's try☆

デメリット:死ぬほど時間がかかる

 

3. 腰壁と幅木

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腰壁、これがあると「欧米のお部屋」って感じ。すごい好き。

高さ90~120cm辺りが主流らしくて、私は100mmで作った。

実は本物はクローゼットの位置が部屋の真ん中にあったことは承知で、違和感がない範囲で横の幅を少し縮めている。理由はあまりに大きくなると置き場所に困るから…笑。

 

4. クローゼット

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ぶら下がってる変な人がすごく邪魔でした。

 

5. 壁

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やっと全体像が見えてきた!

部屋の3辺で壁の色が違うのがお洒落。

左の壁はペイント、中央はテープ、右は壁紙デザインからソフトで制作。窓は憧れのダブルハングウィンドウアメリカのお家といえばこれ。もちろんちゃんと開閉できるように作った。

 

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デザイナーは壁紙の模様なんて何もこだわってなかったと思うけど、私は必死だよ… ちゃんと縮尺も考えて縮めて、シールタイプの用紙に印刷して板に貼り付ける。(普通の紙だと接着剤の水分でよれやすく、貼り付けるのが難しい為)

   

実はこの後大学に入学、忙しくなったり留学したりで3年放置〜〜〜w

 

ちなみに初めて行ったFOBのライブは2014年の2月6日。

大学入試終わってから来てほしかったのに待ってくれなかったよね。どうしても行きたかったから、センター利用で滑り止めを受けまくって全部A判定もらって行きました…

直後の一般試験にFOBのマーチ着てって見事に不合格。浮かれすぎ。でもその一週間後に完全に腑抜け状態で受けた大学に何故か受かった。

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初めて見たジョーさんは神様だったことだけ覚えてる。

 

2017年にinfinity on high10周年だということを知り、今年完成させなかったらもう一生完成させないなと思い、一念発起で制作再開。

 

6. 電飾

星の輝きを表現することが、この部屋の制作における夢だった。

2種類の光ファイバーを使用。壁に無数の穴を開けまくる。でも電気をつけていない時も作品として成り立たせたかったから、どうしても穴を見せないようにしたくて悩んだ。画材屋さんで光が透過するカッティングシートを見つけ、これだ!と思い壁紙に採用。

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初めて明かりをつけた時は自分で感動した…… 

 

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Behind the scenes. 軽く100本はあると思う………

 

7.ベッド周辺

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この辺りも本物に忠実に行きましょう。

月は習字につかう半紙を破いた張り子製。布団とナイトスタンドライトの布も壁紙と同様、デザインから真似て作ってる。ランプの足は丸い割り箸とコットンパールで出来ていたり。

 

8. 鏡側のインテリア

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ここは本物はしか無かったから、好きにやらせて!と思って。

ファンなら分かるネタも多いけど、分かりにくいものもあるから解説を。公式の写真やデザインは使わせて頂いたけど、SRARの歌詞とイリノイ州はデザインから自作。(イリノイ州のフリー地図がなかなか見つからなかったという笑える苦労話)

 

ここまでで長くなってしまったので小物編は②に続く… と思う。

 

【和訳】Forget Me Not / Marianas Trench

これはボーカルJoshの、病気のお母さんについて語っている曲。

youtu.be

Forget Me Not

Sat down at the piano
And played some of your songs
You don’t know how the words go
But you sort of sang along
And I’m here to remind you
What’s lost is never gone
You will
Forget, forget, forget
Forget me not
You will
Forget, forget, forget
Forget me not
Forget me not
ピアノの前に座り
あなたの歌を弾いた
あなたは言葉の紡ぎ方も分からないけど
一緒に少し歌っていたね
僕はここにいる
失ったものが決してなくなってはいないんだと
あなたに伝える為に
だからあなたは忘れないだろう

I’m not ready for what’s to come
Does that make me
My mother’s selfish son
But I wanted you to know
I still need you my friend
From the line to amend
To the cradle again
I’ll be your
I’ll be your
I’ll be your
Forget, forget me not
I’ll be your
I’ll be your
Forget me not
これからやってくるものへの心の準備ができてない
僕は母親のわがままな息子なんだろうか?
でも知っておいて欲しかったんだ
僕の友達、あなたがまだ必要なんだってこと
下書きから書き直しまで
もう一度揺かごに戻るまで
僕はあなたの勿忘草になる

If memories are shadows
We’d best not waste the light
Echos of aphasia
Have haunted you tonight
But I will watch you sleeping
And make sure you’re alright
And you will
Forget, forget, forget
Forget me not
You will
Forget, forget, forget me
Forget me not
Forget me not
もし思い出が影ならば
灯りを無駄にしてはいけない
病の残響が 今夜あなたを捕らえてしまう
でも寝ている姿を僕が見守って
あなたの無事を確かめるよ
だからあなたは忘れないだろう

I’m not ready for what’s to come
Does that make me
My mother’s selfish son
But I wanted you to know
I will help you my friend
From the line to amend
To the cradle again
I’ll be your
I’ll be your
I’ll be your
Forget, forget me not
I’ll be your
I’ll be your
Forget me not
これからやってくるものへの心の準備ができてない
僕は母親のわがままな息子なんだろうか?
でも知っておいて欲しかったんだ
僕の友達、僕があなたを助けてあげるってこと
下書きから書き直しまで
もう一度揺かごに戻るまで
僕はあなたの勿忘草になる

I know you’re not quite here
But you’re not quite gone
Sometimes the night gets darkest before the dawn
Maybe life’s too short
But the end is long
Yeah, life’s too short
But the end is long
Life’s too short
But the end is long
Yeah, life’s too short
But the end is so long
わかっている
あなたはもう完全にここにはいない
でも完全にいなくなってしまってもない
時々夜は 夜明け前に一番暗くなる
多分人生はとても短いけれど 終わりは長い
ああ 人生はとても短い
でも終わりは長いんだ

I won’t leave you my friend
I will ease you back in
To the cradle again
I’ll be your
I’ll be your
I’ll be your
Forget, forget me not
I’ll be your
I’ll be your
Life’s too short
But the end is long
Life’s too short
But the end is so long
僕の友達、あなたを独りにはしないよ
あなたを楽にして
揺かごへと再び戻してあげる
僕はあなたの勿忘草になる
人生はとても短いけれど
終わりはとても長いんだ

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歌詞中のforget me notをどう訳すか迷った。これは「勿忘草(わすれなぐさ)」という意味。英語の古語で、別れ間際に「forget me not! (私を忘れないで)」と叫んでその花を投げたことから由来しているらしい。

彼のお母さんも歌手であり、彼に歌を教えてくれ、おそらく彼の人生に一番影響を与えた人だった。彼女はDLBという体の震えや幻視なども起こる認知症になってしまい、今も闘病中。そのことはWho Do You LoveのMVでも紹介されている。

youtube

映像や歌詞から推測するにもしかしたらもう、Joshのことを忘れてしまったのかもしれない…。昔から彼らのビデオに登場したりもしてた名物母ちゃんだっただけに、ファンである私達もとても辛い。彼自身もこの曲のレコーディングは辛かったのだと聞く。彼はメンバーで唯一ファンにハグをしてくれないのだけど、理由はお母さんのためにとっておくからだと語っていて、それだけでも彼のお母さんへの愛がどれほどだか伺える。

Forget Me Notは、彼のお母さんへの愛や悲しみ、それから覚悟をも受け取れるような、そんな曲だ。

 

アーティストは人間だ

Chester Bennington(チェスター・ベニントン)に寄せて

それから私の尊敬する全てのアーティスト達に寄せて。今年が終わる前にどうしても書き残しておきたかった文章を、やっとのことで書き終えた。

 

2017年7月20日Linkin Park(リンキン・パーク)のボーカルChesterが自殺した。今まで耳にしてきた有名人の死の中で、一番衝撃を受けた。未だに信じられないし、受け入れられなくて辛い。…どうして会ったこともない人の死でこんなに心が空っぽになるんだろう。でも多分きっと、彼がこの世界のどこかに存在しているというそれだけで、私には十分すぎるほどに意味があったのだと思う。

あれから色々なことが頭をよぎった。リンキンとの出会いや、他のメンバーのこと。好きだった曲。何度も繰り返し見たMV。自殺についても考えた。私も死にたいと思ったことがあるから。それからアーティストについてやファンについて。アートそのものについても。

 

私がここで書き並べることは彼の自殺には直接関係無いのかもしれない。でもアーティストとはどういう存在なのか、私達ファンはどうあるべきなのか、これはずっと考えていたことなので書かせてほしい。ちなみにここではアーティストをミュージシャンを含め全ての「ものを生み出す人達」と定義して文を書いている。

 

私達は今、「一瞬で全てがジャッジされる世界」に住んでいる。人の投稿はTwitterやインスタのいいねで評価され、RTで沢山の人に拡散され、気に入ればスクリーンショットで簡単にコピーも手に入り、気に入らなければコメント欄で「意味わかんない!」と直接相手に伝えることすらできる。

でも考えてみてほしい。

アートとは、果たしてそのような処遇を受けるべきものだったか。

 

"Disappointed" -「がっかりした」

 

私がこの世で一番嫌いな言葉!

人が0から苦労して作り上げたものを、簡単に、それも上から目線で、土足で踏みにじるような失礼な言葉。

新譜をリリースした直後のLinkin ParkのFBのコメント欄には、途中で読むのが辛くなるくらい沢山この単語が並んでいた。それからこんなものを作るなとか、昔の作風に戻れとか、心ないコメントが大量にあった。

SNSは図らずもその機能で、作り手と受けとる側の立場の逆転を錯覚させる一因になってしまったんだと思う。

だってそんな言葉は、そもそもお門違いなんだ。だってアーティストは、需要にあったものを供給し続けるような存在なんかじゃない。人から期待されたものを用意するべき存在なんかじゃない。

私の中でアーティストとは常に行く道の先の方でキラキラと輝いている存在であり、今までにない新しい驚きや刺激、感動をもたらしてくれる人達。私はそれを背後からただ追いかけているだけ。ましてや自分の腕の中のお気に入りの箱の中にずっと閉じ込めておけるような、そんなものとは程遠い。

Chester自身も生前、ファンからの期待や批評について何度も触れていた。1stアルバムに拘るのはやめてくれと。

彼らのように一番初めの作品で成功したバンドほど、後に自らの作品が足枷となって自由を奪おうとする。それから先どのような作品を作っても常に過去と比較され、一部の自称ファンからは敵意を持って受け止められる。とても残酷だと思う。
 私は彼の抱えていた苦しみのきっと一億分の1くらいしか理解できていないだろうけど、その一億分の1ですら、とても耐え難く辛い。

過去の栄光の鎖に繋がれたまま飼い慣らされるのは楽だろう。でも彼らはそれをしなかった。足枷をものともせず羽ばたこうとしていた。たとえそれが自らを傷つけることになっても。そのことは、私が彼らを尊敬していた理由の1つでもあった。

「前作は好きだったけど今回は好きじゃない」とか

「昔はよく聴いていたけど今はもう聴いてない」とか

そんなふうに思うことは別にいいと私は思う。もちろん何年もの長い間ファンでいられることはとても素敵なことだ。けれどアーティストの全てを好きになろうとする必要なんてない。ファンはいつでも辞められるし、彼らとの出逢いが過去の自分の素敵な思い出になればそれでいいと思う。

どうか、アーティストを自分のお気に入りの存在として捉えないで。自分の思い通りの形に彼らを歪めようとしないで。変化を選んであなたの好みから離れていったアーティストへのヘイトをぐっとこらえて、今この瞬間あなたが一番大好きなアーティストへの「愛」に変えて、それをあなたの言葉で伝えたらいい。愛はこの世にいくらあったって十分すぎるなんてことはないんだから。

 

ものを生み出すというのは、とても大変なことだ。難しいことだ。これだけは声を大にして言える。身をもって経験しているから。

当たり前だが、まず途方もなく時間がかかる。大人になるにつれて時間は有限だということに嫌という程気づかされた。それから自らの知識や経験が、助けになる時もあれば時に邪魔をする。◯◯はこうあるべきで、◯◯はこうあるべきではないという固定概念が、知らずのうちに脳みそを支配して、私達をつまらない人間に仕立て上げようとしているからだ。 そこをぶち破るのは容易なことではないけれど、そこから脱してこそ最高に面白いものが作れるんだと思っている。そう、まさに彼らの音楽のように。

私はアーティストの石ころみたいなものだけど、ものを作る。ネットで沢山の人が見てくれる。たまにイベントで展示もするし、購入してくれる人もいる。それでも自分の作っているものがクールかどうか自信がないので、まだ心から好きになることが出来ない。時に凄く恥ずかしくなるし、フラストレーションとも戦う。

彼らのようなミュージシャンの更に大変なところは、ものを生み出すことに加えて、自分の作ったものがクールであると常に大勢の人間の前で証明し続けなくてはならないことだと思う。ああ、きっと自分自身が作り手であり、作品そのものなんだ。

もちろん人間皆平等じゃないし、誰しも得意不得意はある。でも、もし全てのアーティストが自分と全くの同質で、一人の人間が同じように苦悩をして、そこから努力して築き上げてきたものがこの世の全ての「アート」であると考えることができたら、見えてくるものは変わらないだろうか?

 

Chesterの死に関する発言で一番私の心に刺さったのは、RTで流れてきたAs It Isの元ギタリストの彼のtweetだった。

 "今一度僕たちは、僕たちのヒーローが「人間」であることを学ぶんだ…"

 

思わずはっとした。こんな当たり前なことを、こんな時になって痛感せざるを得なかったことに私は深く反省した。

有名なアーティストであるほど、私達は自分とは正反対の、ともすれば立派で無欠な人物像を勝手に生み出し、当てはめがちになる。だが、作品が成功することは自信には繋がっても、必ずしも作り手の人格や精神面を育て上げてくれる訳ではない。

だって考えてみてほしい。注目されない人生ほど楽で快適なものはない。有名になることは決していいことばかりじゃない。一度頭上に現れたスポットライトは自分の意思で簡単に消せるものではなく、時として陰鬱なもうひとつの姿をも、赤裸々に映しだそうとする。

皆自分で自分を奮い立たせ、大勢の人間の前で自分を表現するための勇気を作り出さなくてはならないのだと思う。自分自身の手で自分の中にヒーローを産み出さなくてはならないのだと思う。

 

Twenty One PilotsのドラマーJoshも、学生時代は人前に立つことが極度に苦手で、プレゼンテーションすら出来なかったという。彼にとっては幸か不幸かTOPは今や世界でトップを争うほどの人気バンドになってしまった訳だが、彼がドラムという楽器をはじめに選んだのも一番目立たないからという理由だった。でも同じように悩みを抱え、音楽に安らぎを求めライブにくるファンの為に演奏することの素晴らしさを感じるようになり、やがてそれが彼のエネルギーになったのだとか。

 

www.moderndrummer.com

(彼のインタビューより)

 

現実の世界は映画の中とは違って、忽然と姿を表すヒーローなんてものは初めからどこにもいない。個人の血のにじむ努力や葛藤がやがてヒーローとしての立派な人格を築き上げるのだ。彼らが彼らであることが立派なのではなく、0からその全てを作り上げた「彼らの行為」こそが、凄く凄く立派なのだ。それを決して忘れてはならないと思う。

 

私の中のChesterは凄く立派な人だったし、今もこれからもそれは変わりない。

繰り返すと私の中でアーティストとは、常に行く道の先の方でキラキラと輝いている存在であり、そんな輝きがパッと消えてしまった時、そこにはただ暗闇が残る。それがこの悲しみや虚しさだとしたら、ファンである私達はどうすればいい。彼の残光を浴び続けるしかないのだろうか。いやそれだって、十分すぎるほど眩しいのだけれど。

私はまだずっと、彼を追いかけていたかった。

 

でも彼はもういない。そして彼もまた、沢山のいずれ消えていく輝きの一つだったんだろう。今年一年でも世界はとても多くの輝きを、アーティストを失った。

とある本で読んだ、病気で亡くなったアーティストの言葉にこんなものがある。

"真のアーティストは死が怖くない。自分が死んだ後も、作品の中に魂が残り続けるからだ"

私がアーティストという存在に強い憧れを持つ所以とも言える言葉だ。

これから先何十年経ってもLinkin Parkの音楽が聴かれ続けることは間違いない。それから更にずっと年月が過ぎて、彼の名前も知らない誰かが彼らの音楽と出逢いそれらに魅了された時、作品の中の彼の魂がまたキラッと輝くんじゃないかと思う。

 

最後に。Chester、私に素敵な音楽をくれてありがとう。

 

 

追記

ロキノンの運営する投稿サイト音楽文にこの文を投稿したところ、月間最優秀賞をいただくことができました。

ongakubun.com

読んで下さった大勢の方に、この場を借りて感謝いたします。

 

【ライブレポ】Marianas Trench ③ (ライブ〜出待ち〜帰路)

ライブレポ ② はこちら 

 

遂にMarianas Trenchが登場

明確に記憶していないけれど、大体1時間半くらいのセットだったように思う。

あっという間だった。

 

彼らのライブお決まりのスタイル、新譜1曲目のAstoriaからスタート。

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ボーカルJoshは、かつてのFall Out BoyのPeteのカナダverかと思うようなエモい感じの出で立ちから卒業、 よくわからない方向に進化を遂げていた。

アルバムのコンセプトが80'sだから、それ系のファッションなのかなあ?黒ネイルにパンダみたいな黒いアイメイク。

でも自分を貫いている人は格好いいから、そのままでいてほしいよ。

 

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Mattはライブだと更にバンバン歌う。クセのない綺麗な歌声でJoshを支える。

 

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ムードメーカー的存在Mikeは意外やコーラスの高音担当。 

 

《セットリスト》

Astoria
Celebrity Status
This Means War
All to Myself
Who Do You Love
Fallout
Stutter
One Love
Burning Up
Desperate Measures
Shut Up and Kiss Me
Pop 101
While We're Young
Cross My Heart

 

Power of Love (カバー)
So Soon
Haven't Had Enough
End of an Era

 

新譜中心で旧譜からのキラーチューンを混ぜたセット。

とにかく何年も聴いてきた彼らの音楽を生で聴けたことに終始感動だった。

しかもメンバー全員の歌声が音源の比じゃないくらい綺麗。何度も鳥肌がたった。

彼らは正真正銘のライブバンドだよ!!!本当に見に来れてよかった。

 

Joshが俺についての曲だよと自虐的に紹介して始まる、もはや懐かしいと感じるくらい過去に聴きまくってたAll to Myself、彼らのコーラスを堪能できる新曲Who Do You Love

One Loveでは他のファンから配られたハート型の紙をみんなで扇いで、いい感じのムードができた。記念にまだ取ってあるよ。

 

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曲間にメンバー同士がお互いを見てニコッてする感じとかもう…

昔からメンバー全員仲良しバンドです。コーラスの質からも伝わってくるよね。

 

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Joshのシンボル的カナダのメープル型ギター(彼曰くironically made in USA笑)に持ちかえ、ライブはクライマックスへ。

最後の曲End of an Eraでしんみり締めくくってライブは終了。

 

出待ち

ライブ後は一緒にいた人達と出待ちをすることに。

ファンの情報だとボーカルを除き彼らはライブ後は毎晩必ず外に出てきてファンの相手をしているらしい。

中でもMikeはSNSでもファンの相手をしてくれたり、インタビューでもファンの投稿を見るのはいつも楽しいし感謝していると発言。なんともファン冥利につきるというか、多分バンドで一番ファン想いの人。

まずMattとIanが登場。Joshは出てきたけどツアーバスに直行。

事前に他の日のライブの投稿を見てたから知ってはいたけど、彼は気まぐれ人間なのであまりファンサはしないらしい。

Ianが私を見て、M&Gの時にあげたキットカット(抹茶)はあれ何味なん?と聞いてきた。

というかライブ後なのに私のこと覚えてくれてる… まあアジア人自体少なかったけどさ。ちょっと感動。

それから2人と無事2ショを撮ることに成功。

 

その後Mikeが酒を片手に登場。

ってもうすでに酔ってるし。話しかけようとしたら彼の方から近寄ってきて、結果私とMikeを他のファンが囲む形になってしまった。焦る。

Mike :「ジャパンめちゃくちゃ行きたいよ!!でも君の周りに俺たちの音楽聴いてる人いるの…!?」

私 :「うーん…」嘘はつけない性格なので思わず黙る。

…と手に持ってたコップを思いっきり地面に叩きつけて悔しがるジェスチャー。ふつーにビビったわ。

周りの人達は爆笑。

そしたら肩をガシッと掴まれて、「なあ、君が周りに俺たちの音楽を広めてくれよ!わかったかい!?」とまさかのお説教タイム。

ねえ、4年間待ち焦がれたバンドのライブを見れたと思ったらメンバーにお説教されるなんて信じられる?

最高に面白かった。

 

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2ショも撮ってもらったけど、肩をあまりにガシッと掴まれて割と死ぬかと思った。

 

メンバーと一通り写真を撮って会話して、10時を回った頃、名残惜しいけれど会場を後にした。

Mikeはまだファンの相手をしていた…

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ホテルに戻ると最後にサプライズが。
Secret Someonesのメンバー達がロビーにいた。

なんと偶然同じホテルに宿泊予定だったらしい。

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「ライブ見たよー最高だったよー」と話しかけ、一緒に写真を撮ってもらった。

もうその頃の私はハイになってて、今思うと何でそんな話しかけれたのか、何を喋ってたのかまるで記憶がない。でも当然英語喋ってたんだろうなあ…

 

彼らに献上したもの

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周りの人に、素敵な絵だね!ここにサイン書いて貰えば?彼ら取っておくと思えないしと言われた。ひでえ。

(でも実際ツアーバスとかにファンアート飾ってる映像あったし、何より先日Mattに会った時に2年前にライブ行ったよ!とこの写真を見せたら「この絵覚えてるよ!」と言ってくれた。嬉しい)

 

戦利品

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Mattのギターピックを拾えたのだけど、特に何も書かれていないデザインでちょっとしょんぼり。

 

こうして私の初めてのMarianas Trenchのライブは終わりを告げるのだった。

ホテルに戻った後はひたすら放心状態だった。だってしばらくのあいだ彼らのライブを見ることを人生の目標にしていたから。

終わってしまった。

初めてだけど、最後にはしたくないと思った。

絶対にまた見たいと思った。

願わくば次は日本で。でももしそれが無理でも、彼らの音楽の為なら何処へでも行きたいと思った。

 

翌日はロチェスターNY市内のショッピングモールで時間を潰し、帰りも同じグレイハウンドで帰路に着いた。

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ライブお疲れ様のご褒美にCheesecake Factory

これ意外とでかいのよ。

チーズケーキはお腹一杯食べるものじゃないことを痛感しました。

 

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ロチェスターの街並み。

 

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So long ロチェスターNY

多分ここに戻ってくることは人生で二度とないでしょう。

 

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ミシガンに戻ると大学のキャンパスは初雪で白く染まっていた。

授業途中から行くのめんどくさいーとFBに呟くと、クラスメイトからちゃんと来なさいよ笑と叱咤のコメント。

寮に戻ってシャワーを浴びてから、雪道を歩いて教室へと向かった。

 

 

 

後日談

あの日一緒にライブを見た人達とは未だFBやインスタで繋がっているし、連絡先を聞かずにバイバイしてしまったある女の子とはTwitterで奇跡の再会を果たした。

世界って思ったよりずっと小さい。(Vada Marchちゃんっていうシンガーソングライターの子だった)

決して社交的とは言えない(むしろその逆)私だけど、今まで色んなライブで素敵な出会いを経験しているから、ライブハウスは奇跡が起こる場所だと思っている。

音楽は沢山の友達や、好きなものへの情熱や自分でも驚くくらいの行動力を与えてくれた。(ついでに言えば英語力も。高校時代英語は大の苦手で学年最下位を争っていたから)

音楽と出会っていなかったら、今の私は絶対に存在していないと確信している。

 

Marianas Trenchの4人も、素敵な音楽をありがとう!

直接伝えることができたけど、先日もMattに言うことができたのだけれど、何回でも言いたい。

あなた達とその音楽が大好きです。

 

【ライブレポ】Marianas Trench ② (観光〜サウンドチェック〜OA)

ライブレポ ① はこちら 

 

会場に到着

無事についたものの、ライブまで時間がかなりあるので、まず会場を下見した後、あらかじめ調べておいた観光地らしきところをぶらぶらする予定でいた。

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会場のWater Street Music Hall

なんと今年(2017年)で閉鎖されていた。もう二度と行かないと思っていたけどちょっと寂しい…

もう既にファンらしき女の子達が座って待機してた。海外だとチケットに整理番号がないから早い者勝ちで、凄いファンだと前日くらいから並んでいるというのは知っていたけれど、本当に目の当たりにして謎の感動。

 

とりあえず街をぶらぶらしたが、とにかく思ったこと。…人がいない!!!

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会場付近も、今夜ここで本当にライブが行われるのか疑問に思うくらい、人気がなくて寂れていた。アメリカは車社会といえど、ここまで歩いている人がいないとは。

それから沢山の廃墟

「ニューヨーク第三の都市」って書いてなかったっけ!?

とりあえず自分がここに再び戻ってくることは一生ありえないだろうなと思いながら歩いた。

 

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完全に廃墟だよこれ…!!!

 

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観光名所だと書かれていた滝。う、うーん……

 

3時に無事ホテルのチェックインを済まし、がっつりライブメイクをして会場へGO。

既に列ができており、後ろに並んだ。実はここからが永遠に長かった…

M&Gに参加する人は3時半までに会場に来いとメールに書いてあったものの、一向に中に入れる気配がない。

気温は一桁。寒いWifi環境は当然無し。要するに超暇

ノースリーブの人もいたがわけがわからない。私はFall Out Boyのクルーネックのスウェットにライダースジャケットを着込んでなおブルブル震えていた。

 

ふと後ろから歓声が聞こえると思い振り返ると、Marianas Trenchのメンバー、まさに私が16時間かけてやって来た目的のうちの2人、MattMikeが、ゆるーいノリで歩いてきていた。嘘だろ。

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あまりに衝撃的すぎてとりあえず写真をとるしかなかった私。

彼らは軽くファンと声を掛け合った後会場内へ。

そのまま外で待たされること2時間!5時半になってようやく会場に入れた。

事前にインスタの投稿に私も行くよーとコメントをくれた女性を見つけたので声をかけ、そのグループに入れてもらう形に。

サウンドチェックは運よく最前列で見ることができた。

 

サウンドチェック

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近すぎ…!

写真を撮っているとしばらくして周囲でひそひそ声が聞こえ、しかも耳をすませたらなんと自分のことだった。

「写真駄目じゃなかったっけ…?」

「この子外国人だから英語読めなかったんじゃない…?」

とたんに冷や汗。

それからは自分が外国人であることに感謝してアホになりきることにした。

ライブ後ホテルに帰ってメールを確認したら当然のように赤文字で「サウンドチェック中の撮影禁止」と書かれていた。しかも違反したら追い出すとも書かれてた…

なんで読まなかったんだろう。馬鹿すぎる。とにかく最前列でバシャバシャ撮ってても追い出そうとしなかったメンバーに感謝しすぎて泣けた。

 

Here's to the Zerosを演奏してくれた

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サウンドチェックの後M&Gという名の写真撮影。

「日本から来たよ!」と言うとIanにこの「ライブの為に!?」と驚かれ、いや違うけど…wと言ってる間に写真撮影を促され、わりと一瞬で終了。

でもまあファンアートを渡したらメンバー全員に「すごい!」と喜んでもらえたので良し。

 

M&G後また会場外に出され、待つことさらに1時間。もうすっかり夜で辺りは暗い。

セキュリティのおにーさんに身分証の提示を促され、パスポートを提示。

一緒にいた人達に「私達はみんな免許証だけど彼女はcoolなidentification持ってんのよ笑」と茶化され、おにーさんも私が日本人と分かると「アリガトウゴザイマス」と日本語を話してくれた。

独りぼっちではるばる来たからこういうコミュニケーションが身にしみるー みんないい人達だった。

そしてようやく再入場。

今度は最前列は叶わなかったけど、3列目まで行くことができた。

日本でのライブじゃ考えられないくらい人と人との間隔が空いていて押しもない。

でも前に詰められないような空気ができてたので諦め。まあそれでも十分に近いし。

 

オープニングアクトSecret Someones

正直に書こう。彼女らを見た時点で片道16時間の価値はあった。

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何も予習していなかったのに一曲目からすっかり虜になった。

メンバーの3人の女性の格好いいこと!

女性のいるバンドのライブを見たのはこれが初めてだったけど、3人の力強い歌声と歌詞、演奏っぷりが最高に格好よくて惚れた。

コーラスも素敵で、まさにMarianas TrenchのOAにふさわしいバンドだと思った。

 

忘れはしない一曲目 I Won't Follow

 

 一番好きな曲 Quit Pulling Me Down

本当に歌詞がかっこよくて。まさに私の求めている女性像だと思った。

"もうあなたの元へは戻らない。あなたが何をしようと私は壊せない。あなたが来てから忘れていたの、私は強いんだってこと"

トリセツが流行る日本じゃ出会えない音楽だ…

帰ってから早速ハロウィンパーティのbest costume賞で手に入れたアマゾンギフト券で彼女らのアルバムをポチった。(残念ながら翌年の初めに解散。彼女らを見るのはこの夜が最初で最後になってしまった…)

 

約40分の演奏が終了し、そのまま待ったのちの大体夜8時を過ぎた頃、ついにMarianas Trenchのライブがスタートした。

 

ライブレポ ③

 

【ライブレポ】Marianas Trench ① (Greyhoundバス)

先日日本に観光に来ていたMarianas Trenchマリアナス・トレンチ)のギタリストMattと再会を果たしたことで、2年前のライブの記憶が一気に蘇ってきてしまった。

もはや心がまたアメリカに行ってしまって戻ってこない… しんどい。

ライブレポートを書こう書こうと思ったまま早2年、腰が重いにもほどがあるけれど、書くなら今しかないとこうしてブログを開いたところ。

備忘録を兼ねてだけれど、これを見てMarianas Trenchに興味を持つ人が少しでも増えたり、海外遠征を考えている人の助けになることを信じて…

 

2015年夏、約4ヶ月の留学で初の海外であるアメリカへ渡った私にはある目標があった。それは英語力の向上…ではなく、Marianas Trenchのライブをなんとしても見ることである。

だっていつまでたっても日本に来ないんだもの!!!

 

Marianas Trenchとは…

カナダバンクーバー出身のロックバンド

ポップでキャッチーな曲が多いことで有名だけど、エモーショナルなものから泣けるバラードまで様々な楽曲を楽しめるし、とにかくアルバムのクオリティが高い!!!

毎アルバム一番初めと終わりの曲のスケールが大きく全体に統一感やストーリー性があり、1枚を通して彼らの素敵な世界観を存分に味わえる。

それからメンバー全員の歌声で繰り広げられるコーラスは最高に魅力的で、彼らを唯一無二のバンドにしているといっても過言ではない。

ボーカルのJoshカーリー・レイ・ジェプセンCall Me Maybe(コールミー・メイビー)の共作者であることでも知られているけれど、いかんせん未だに日本での知名度は0に近い。

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 (写真は公式サイトより)

 

とりあえず代表曲

Stutter

 

By Now

 

それからアルバム最後の曲はこんな感じ。

セカンドのMasterpiece Theatre 3

クライマックスに向けてメンバーの歌声が重なっていく感じが愛おしい… シングル曲に選ばれたりMVが作られることがないから目立たないのが本当もったいないと思う。

アルバムツアーでは毎回1曲目からスタートして最後の曲で締めくくるのが彼ら流。

 

彼らが秋に新譜をリリースすることを知っていた為、自分の滞在中にカナダないしアメリカでツアーを絶対にすると確信していた。

予想は的中、 新譜のリリース情報とともにツアーがアナウンスされた。…が、何故か留学先であるミシガン州の日程がない…

ショックで数日落ち込んだが、そんなことでやすやす諦めてたまるものか。

ツアー日程から一番行けそうな場所や日付を調べ、休日を利用してはるばるロチェスターNYまで見に行くことを決意した。(その距離大体東京から大阪以上!)

 

参戦したUSツアーのポスター

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どうせ見に行くならばとM&G付きのVIPチケットを購入。

メンバーと話せる以上に、優先的に入場できて前の方で見れることが魅力だったので。

何時にライブが終わるかわからない為、背に腹は代えられぬと会場に一番近いお高いホテルを予約。

考えられる手段は飛行機かバスで、結果アメリカでメジャーな長距離バス、グレイハウンド(Greyhound)のお世話になることにした。

 

Greyhoundの旅の全貌

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ネットで予約し印刷したチケットを持って行くシステムで、購入は簡単だった。

 

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アプリがあるので入れておくと便利。

石橋を壊れるまで叩くような性格なので、とにかく情報収集を欠かさなかった。

結果トイレが壊れていて使えなかったり、途中休憩時間内に戻ってこれずにそのままバスに置いてかれたりなんて話ばかりを読んで、すっかり肝が冷えた。(ちなみに友人らには呆れられ、毎週末お世話になるホストマザーにはやめなさいと凄く心配される)

 

いざ出発

出発当日は金曜日、授業後すぐに大学近くのターミナルへ。場所が場所だけに帰省なのか大学の生徒でごった返していて、少し安心。

…が、予定時刻になっても肝心のバスが来ない。夜になったので係のおばちゃんに中の待合室を閉め出され、泣きそうになりながら外で待つ。

最終的に一時間遅れで到着。

でた〜〜〜日本じゃありえないいい加減さ!いかにも幸先の悪いスタートだ。

混みこみのバスでまずはデトロイトへ。

そう、この旅ではアメリカ一治安の悪いデトロイトと、二番目に治安の悪いクリーブランドを経由するのである。それも真夜中に。

なんて頭の悪いツアーだ。正直ターミナルから一歩でも出たら死ぬと思っていた。

 

Detroit

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とりあえずデトロイトまで無事到着。

ターミナルにいるのは大体黒人か、あとは私みたいな学生らしき若者だけだった。

富裕層はみんな車を持ってるから長距離バスなんか使わないんだろう。バスの運転手も黒人ばかり。アメリカの闇を見た気がした。

 

係のおっさんにどこに行くのと声をかけられチケットを見せる。するとニコっと笑って

「You can go first!」と。

???一番に乗っていいの…?

それとも1番乗り場ってこと…?

混乱するも隣に座ってるねーちゃんに良かったじゃーん的なことを言われる。

よくわからないまま待機していたらやがて時間が来て、2番乗り場に人の列が。

そわそわしていると、先ほどのおっさん

「お前firstて言うたやーん」

と呆れながらやってきた。

あ、やっぱり一番に乗っていいのね。…え、そんなことってあるの?とおっさんについていくと、先頭のおばちゃんにこいつ入れてあげてねと、結局一番初めにバスに乗せてもらうことができた。なんだ普通にいい人だった…!

 

 私的Greyhoundメモ

  • トイレは使えると考えていいし、Wifiコンセントもある、割と快適◎
  • 治安的にターミナルよりバスの中の方が寝れる
  • 運転手の目の届くの方に座り、荷物は肌身離さず持つこと
  • 途中何度か休憩で止まるが、置いてかれたら死ぬしバス内にもトイレがあるので一度も降りなかった
  • 乗り場が分かりにくいので係の人にチケットを見せて聞いてしまう方が早い("Excuse me, could you tell me which bus I should take?"とか、チケット見せるし最悪"Which bus?"でも分かってもらえると思う)

 

デトロイトから最大の難所、クリーブランドへ。

なぜならそこで明け方まで6時間弱待機しなくてはならないから。

ターミナルでは浮浪者っぽいおじさんが「Bless me... bless me...」とお金をねだってきた。あーここで寝落ちしたらおしまいだなと確信。

椅子に寝そべっているツワモノもいたが到底そんな気分にはなれず、大学のカフェテリアからパクってきたラップサンを齧りながら音楽を聴いてひたすら時間をつぶす。

夕ごはん

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次はクリーブランドからバッファローまで。

バスの運転手は陽気な黒人にーちゃんで、出発前にこんな感じの挨拶。「何が起ころうとも俺がみんなを守るからな!」

いえーいと沸き起こる拍手。いや何が起こるって言うんだ。やめてくれ。

バッファローで燃料交換の為一度ターミナルに降ろされたので、朝ごはんにアメリカでの初Tim Hortonsをキメる。

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美味しかったけど店員がクソ塩対応だった。日本上陸しないかなー

 

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バッファローらへんのバスからの景色。

 

バッファローから1時間半でついにロチェスターNYに到着。

胸が踊る。

今夜ここで私はMarianas Trenchを見るんだ…!!!

 

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