10月25日
人生で初めてチョコエッグを購入した。
すみっコぐらしは好きだったけど、こんなものわざわざ買おうだなんて思わなかった。
恋人が私がすみっコぐらしが好きなのを知って、買おうと言い出した。
私は2つだけ購入した。不思議な体験だった。あとは全部彼が買った。
何ともいえない気持ちでとりあえず並べて写真を撮った。これどうしよう。
恋人の部屋にはUFOキャッチャーで捕まえたぬいぐるみが山のように積んであって、チョコエッグのマリオも沢山並んでいた。
なんでそんな無駄なものをそんなに買おうと思えるのか、私には分からない。
でも人生楽しそうだなと思った。羨ましいなと思った。
私は未だにレコードプレーヤーを買えない。自分のものを増やすのが怖いから。消えてしまいたいという気持ちと反対にベクトルが向く行為だから。
友人が趣味で刺繍を始めた。
あんな初歩的な作品を楽しんで作っていることが不思議だった。
歳上の知り合いがピアノを始めた。
なんでその歳で始められるんだろうと思った。
プロになれるなんてことないし、弾ける曲も限られてるのに。
凄い簡単な曲を、楽しそうに披露していた。
私は今27歳で、もうこの歳で、何か新しい事に挑戦する意義も意欲も失ってしまった。
今持っているものも、そこから何か成果を出さなければ、何の意味もなさないのではないかと思う。焦る。
ただ作れたらいいものじゃない。ここまで続けたのだから、成果を出さなければ、売れなければ意味がない。自分の存在価値を生み出さなければいけない。
自分と同い年で、更には年上で、些細な事を楽しんだり、新しいことに挑戦したり、キラキラした夢を思い描ける人が羨ましい。
私は人生を楽しむ方法を忘れてしまった。
作品もスランプ続きでもう半年ほど作るのを辞めてしまっている。
技術が落ちていくことを思うと怖い。もう続ける価値のないものになっていくのではと思うと怖い。自分から何も無くなってしまうのが怖い。
先日、ずっと捨ててしまいたいと思いながら放置していた昔の作品を、やっとの思いで綺麗にしてオークションに出したら、1万円以上の値が付いた。
しっかりしろ。
何でもいいから何かやってくれ、自分。