I'm just holding on for tonight.

どこにも行けない呟き

【ライブレポ】Summer Sessions ②

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日が沈むのが遅い夏のイギリス、それも北の地スコットランド

夜9時を過ぎてようやく薄暗くなってきたあたり、オーディエンスの気分も最高潮に高まり、真っ黒な4人組を今か今かと待っていると、とうとうスクリーンにあの文字が映し出された。

 

Catfish and the Bottlemen!!!

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叫び声に包まれる会場。

そしてステージに明かりがつき、フロントマンVan McCannがまさに登場… と同時に、すぐ傍で凄まじい爆発音が。

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なんで???

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なんでこんな人が詰まってるとこで爆竹に火をつけようって発想になる???ここ義務教育とかある???

というか我らが主人公の登場シーン!!!もう台無しにしてるけど!君!そこの君!

Van君ちょっと涙目だよ。もっかい仕切り直そっかなって思ってるよ。いや知らんけど。

前の方の人達はステージに夢中で気づかなかったと強く強く信じたい。

《セットリスト》

Homesick
Kathleen
Soundcheck
Pacifier
Fallout
Anything
Business
Glasgow
Rango
Twice
Outside
Hourglass
Fluctuate
7
Cocoon
Tyrants

 

同じフェス出演だけど、前日のNBTとは反対に、彼らは来日の時に見た2回よりも多く曲をやってくれた。

Homesickで始まりKathleenに続く流れはもうお馴染みすぎて、笑顔で歌ってしまう。

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とにかくオーディエンスは歌う、歌う、歌う。

シンガロング好きだし最高の気分だったよ。

ただSoundcheckのあのBondyのギターソロ、最高にかっこいいあのギターの部分もみんなで

"る〜る〜るるる るるる るる る〜る〜!!!"

あ、そう、ふーん… そこももれなく歌うん… まあいいけど…。一瞬だけ自分の脳内がしらけた。

もうね、オーディエンスが歌う、Vanのマイク音声がでかくなる、それに負けじと皆が声を張り上げる、更にマイクが馬鹿でかくなる、の繰り返し。

Businessとかちょいちょいギターアレンジが進化してて超かっこよかった。

 

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グラスゴーにいるからには120%聴ける気でいたその名もGlasgow、最高だった。まるで白昼夢の中にいるようだった。

そこから続けて披露されたRangoも、初めて聴けて嬉しかったなあ。アルバム聴いてていつもこれライブでやったよな?あ、やってないかってなるのがRangoだった。

OutsideもTyrantsにこそ敵わないものの、とてもエモーショナルで大好きだ。

 

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それから新曲のFluctuate

めっちゃくちゃかっこよかったのに、最近彼らの情報を追っていなかったから、どこか有名なバンドのカバーかと思って聴いてた。(大物に詳しくないにわかリスナーの私あるある)新曲だったなんて。

1回聴いただけで虜にさせるのはさすがナマズ。(カバー曲だと思ったくせに)ところで新譜はいつですか。あまりに動きがないとまたファンに気まぐれに解散させられるぞ。

 

時々スクリーンに映し出されるボブホのドラム捌きにも圧倒された。

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幸せだった。

 

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わかったんだ。

どうして私にとって音楽が、ライブに行くことがこれほど大切なのか。

好き」だからだ。

好きだからって、そりゃ当たり前だろって思うだろうけど。好く(=love)って、最強に能動的な動詞なんだ。

人の為に自分を変えて我慢して生きてきた私が、何をするにも常に人目を気にして生きてきた私が、唯一誰の許可も必要としない、誰の意思の介入も許さない、一人で自由に使える素晴らしい動詞を持っていたんだ。私の為だけの動詞があったんだ。

それでも私には、自分の大好きなものを好きでいることに、後ろめたさを感じていた時期があった。その時の罪悪感や劣等感は積もり重なって自分を苦しめ、遂には好きであるという気持ちそのものを傷つけて、私を虚無感の底に突き落とした。

でも音楽が、こうして再び私に「好き」という行為を使わせてくれた。

ありがとう。

私はまだ幸せになる方法がわからないけれど、自分が好きなものを大切にすることが、自分の「好き」という気持ちを大切にすることが、「幸せ」になる鍵なのではないかと思う。

好き。誰の為にでもなく、自分が、好き。これほどに真っ直ぐで強い行為はないと思う。だからどうかそれを傷つけないで。

これを読んでいる人にも自分の好きなものは大切にしてほしい。全力で守ってほしい。一人一人に与えられたこんなにも自由な動詞を。

 

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長いライブも最後の一曲。「いつもお決まりのこの曲で締めくくれて最高だよ」とVanが言って、ついに始まってしまうTyrantsのイントロ。

ああ終わってしまう。いつもそう思う。

ロックの学のない私はああいうセッションやアレンジの類の凄さを語る語彙や知識を持たないのが悔しいけれど、あったとしても何も語れなくなっていたと思う。

 

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彼らの凄さを表す形容詞は無い。彼らのライブを見るしかない。

彼らを前回見たのはフジロックの最前列だったから、今回は比べ物にならないほど遠かったけれど、ヘッドライナーとして、また一回りも成長した彼らを見れた気がしてすごく良かった。

ああ、そうだよね。The Rideはヘッドライナーの為に作られたアルバムだったんだよね。しかとこの目でそれが証明されたのを見た気がしたのだった。

 

 

おまけの帰り道

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そりゃ最高すぎてカラーコーンも被りたくなるよね、うん。